高齢者の猫背や亀背の施術で気をつけること

 高齢になるに従い、背中が丸くなり、そして結果、腰痛や足の痺れになる方が増えます!
その痛みの原因は、脊柱管狭窄症や変形性腰椎症だったりします。また高齢になると椎間板自体が退行変性が起きるので椎間板ヘルニア自体は減少します。これらの状態を評価・把握しながら、猫背や亀背の治療で注意することがあります。

 それは、『一概に丸くなった背中を真っ直ぐにするのが良いわけではないということです。』
単純に丸い背中を押してもらったり、マッサージしてもらったり、伸ばしたりする方がいます。また、背中が丸いことを気にしていて、猫背を治すグッズ・また補正下着で固めたり、たすき掛けのようなコルセットで背中を伸ばす商品も販売されています。一般の方は、それを装着すればいいと勘違いしています。

 姿勢(背骨骨盤の状態)は長年の結果で起きています。簡単には丸いものを伸ばすことはできません。いきなりシニア世代に入ってから無理に背中を起こそうとすれば、背骨が悲鳴をあげます。実は、猫背〜骨盤後傾というのは、長年座っていれば誰でも起きる現象です。写真のように骨盤が後傾し猫背(亀背)になることは珍しくありません。この背中が丸まり前屈みになっている姿勢を正していく過程では、重要なファクターを忘れてはいけないのです。

その一つとして挙げられるのが、『腰椎の変性』です。無理にカラダを起こせば組織に無理な力がかかる部位も存在することが多いのです。この方の場合は、腰椎5番に圧迫骨折が存在します。

 但し、高齢者の骨盤後傾は、腰痛・股関節・膝の痛みの原因にはなりますので、改善させたい歪みではありますので、骨盤後傾を取り除く時に、腰椎に負荷をかけずに施術を行うこと、そして腰椎から仙骨に関しての問題を把握しかつ治療しながら、治療プランを立てることが肝心要です!
画像は70歳の方の施術前と施術後の姿勢ですが、腰椎5番の負担を軽減した上で、骨盤の後傾は改竄されています。

猫背・背中が丸まってきたと思われている方は、早期の施術が効果的です。ご相談ください。

院長 木津直昭