逆流性胃腸症と姿勢との関係

機能性胃腸症って聞いたことありますか?

検査をしても胃に炎症・潰瘍・癌などの病気がないのに、胃もたれ・胃痛を感じる病気のことで胃下垂・胃無力症・胃けいれん・神経性胃炎・慢性胃炎などと診断されていた機能障害です。その中でも『逆流性胃腸症』の方が近年多く来院されています。

逆流性胃腸症(胃食道逆流症)って?

胃酸を多く含む胃の内容物が食道内に逆流して起こる病態を、胃食道逆流症(Gastro Esophageal Reflux Disease : GERD)といいます。胃食道逆流症(GERD)は、症状や食道の粘膜の状態によって、逆流性食道炎と非びらん性胃食道逆流症(Non-Erosive Reflux Disease : NERD)とに分けられます。

 このGERDやNERDですが、上向きで寝ていると胃内物が上がってきたり(呑酸)、胸焼けなどがあり食欲も減退する症状を発症します。これらの症状で逆流性食道炎と診断を受けて、胃酸を抑える薬を服用しているけど根本的な改善に至らず、悩んだ末に来院される方が特に女性の方で増えています。

胃食道逆流症ってカイロプラクティックで改善するのですか?

 このような症状の方に共通するのが、姿勢の悪化です。猫背・反り腰・骨盤後傾・巻き肩・ストレートネックなど重力に負けて姿勢を維持できない状態なのです。容姿的にも、下腹が出て、お尻が垂れて、太ももの外側が太くなったりします。これらの方は、肩こりや腰痛などの筋骨格系疾患の他にも内臓に悪影響を及ぼしていることがあまり知られていません。また、将来的には、尿漏れなどの原因になる可能性も高い『姿勢』なのです。

この障害ですが、もちろん、逆流に伴う食道の発赤やびらん(ただれ)が存在する場合があるのでしっかり内科的な処置も必要です。しかし、この重力に負けている姿勢を治さないと繰り返して発症する可能性があると推測しています。これらの方が、機能性胃腸症の非びらん性胃食道逆流症(NERD)の可能性が高いのです。

以下は、私の臨床研究の結果ですが、上イラストのように下部食道括約筋がしっかり活動し閉まることにより逆流が防げます。しかし、このような重力に負けている姿勢になると、横隔膜が緊張し、下部食道括約筋(LES)がゆるむことが考えられるからです。下垂した内臓を引っ張り上げようと横隔膜が固まるのだと思われます。この状態が下部食道括約筋が活動できない状態にしている可能性があるのではないかと考えています。

以前は60代以降に多かった状態ですが、近年は30代での訴えも少なくありません。女性だけではなく男性に見られる症状にもなっています。

この機能性胃腸症(NERD)に関しては、KIZUカイロプラクティックの施術で抗重力な姿勢に戻すと症状が改善するケースが多くみられています。薬を飲んでいるけどなかなか治らないと言う方は一度ご相談ください。