症状
39歳 女性 ダンサー
10年前より社交ダンスのラテンをしている。日常はさほどでもないが、ダンスの練習をすると腰が痛くなり、練習できなくなる。少し休めば、日常生活には支障がなくなるが、また練習すると痛む。そんあ状況をここ半年繰り返している。
分析
関節可動域テストなど問題なし、他の整形外科的テストも陰性。
実際に歩いてもらい、またラテンダンスの基本を踊ってもらう。
骨盤から腰部の動きに左右差があり、左側をより使った動きになっていた。また前後の動きでは、反り腰が強く、腰部脊柱起立筋などを優位に使い、体幹の筋群(腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群、横隔膜)が働いていないようであった。
練習をしていくと徐々にそのバランスが崩れ、痛みを発症させていたと思われた。
施術
先ず、使い過ぎである腰部起立筋や周辺筋膜の癒着を取り除き、体幹と下肢の連動について再教育をするトレーニングを行う。具体的には、下肢を前後左右に動かす時に先に体幹を安定させるトレーニングを繰り返し行う。(フィードフォワード現象)また、その上肢を体幹との連鎖についても修正する。その後練習しながら様子をみながら、施術を5回ほど行い、練習後の痛みは消失する。
*考察
フィードフォワード現象によるアスリートの障害は、ランナーやダンサーはもちろんのこと、他のスポーツでもこの現象の消失により痛みの原因になり、結果パフォーマンスを落としているケースが多いのです。
また、昔から腹筋と背筋のバランスをよくした方がといいと言われてきましたが、このダンサーなどにとっては、一般的に言われるこの腹筋と背筋は、縦に(上下)に走り筋繊維であり、逆にこれらの筋肉が関節を圧迫させる原因にもなりえます。ダンサーなどには、上記にあるような体幹の筋群が重要なのです。
担当:KIZUカイロプラクティック本院 院長 木津直昭