No.253 新型 三十肩の治療(巻き肩の根本治療)

症状

34歳  女性(妊娠中 法律事務所勤務)

 5年前からの慢性的な首こりと肩こりがあり、2年前の一児出産後に症状強くなり、徐々に肩が上がらなくなる。特に育児と重なり症状悪化し、洋服の着替えや歯を磨くなどの日常動作困難になり来院する。鍼灸やマッサージや整体など様々な治療を試みたが一時的な効果あったが、大きな症状の変化はなかった。

分析

 肩関節の関節可動域検査では、外転で80度で痛み誘発する。屈曲では150度で痛み発症。痛みは肩甲上腕関節から上腕上方と前方に放散するような痛みである。また姿勢検査では、肩甲骨の位置が前に巻き込む「巻き肩」が顕著である。触診では、右肩前部分の大胸筋・小胸筋の緊張が強く圧痛も伴う。
 肩関節の動き自体は、巻き肩により、肩関節のインナーマッスル(ローテーターカフ)が働かなくなり、アウターマッスル優位で動かしていたので、徐々に肩甲上腕関節にインピンジメント症候(上腕骨が屋根に当たる兆候)が出現し肩関節が上がらなくなったと推測される。

施術

 施術は、先ず右大胸筋・小胸筋の緊張を取り除く治療をする。ハイパーボルトを使用し、癒着に対して振動を与え、血行を良くしながら筋膜リリースする。また肩甲上腕関節に空間を作るイメージで可動域を改善させていく。
 4回の施術で可動域は改善するが、首や肩の凝りが残るとのことで、法律事務所でのデスク環境の問題点を探す。PCがノートブックであったので、下向きが多く首のストレートネック状態を増強し、首・肩こりを悪化させていたと考えられ、PCを12センチ台に載せ、外付キーボードにするなどのデスクワークコンサルティングを実施する。結果、首・肩こりも軽減し、巻き肩も根本改善に向かう。その後2回の施術で、肩関節の180度外転も痛みなく可能になる。

 人の姿勢は生活する上で柔軟にバランスを取ろうとします。それは、いいバランスではなく痛みからの回避が多く、根本的には悪化させていることが多いのです。肩関節も痛みが出る前に横向きで寝たくなったり、肩こりが強くなったりします。横向きやうつ伏せで寝たくなったり、足を組みたくなる、猫背になってしまうなどは、その兆候であります。
深刻な障害や辛い痛みになる前にカイロプラクターに相談して早期に治療しましょう!

この新型 三十肩は増加の一途です。PCやスマホによって「巻き肩」になっている方が急増しております。頭痛・首凝り・肩凝りなどが続く場合は、凝った筋肉を緩めるような対処的なアプローチではなく、原因を特定し根本的なアプローチをおすすめいたします。

担当:KIZUカイロプラクティック本院 院長 木津直昭