症状
左股関節の痛みを訴え来院。週末にラウンドし、ラウンド中に違和感はあったものの痛みなくプレーを終えた。翌日に痛みが出始め、歩行にも支障がある。左足に体重がかかると股関節の外側に激痛が走り、休みながら歩く状況。
考えてみると最近、股関節の外側に違和感があったが気にしていなかったとの事。
分析
姿勢検査では左に体重が掛かると痛みが出現するため、右足体重で立っている。また猫背になり、膝が少し曲がり、身体が丸まった姿勢をとっている。体重をかけないようにするために、仰向けで左股関節の可動域を検査すると、全体的な動きの制限と内転や内旋で体重をかけた時ほどではないが痛みが再現される。筋力検査では、腸腰筋や中殿筋、内転筋に過緊張があり、特に中殿筋の過緊張と圧痛が顕著にみられる。
施術
施術ではまず先ほどの過緊張を起こしている筋肉を緩めるようにアプローチ。また、前かがみの姿勢に関わる筋、関節にもアプローチ。上記の施術後、立位にて確認をすると、痛みは3割ほどに軽減。その後、股関節、骨盤、胸椎の可動性をつけるよう施術し、痛みは1割程度に軽減。姿勢の指導とストレッチを指導し、5回の施術で痛みは改善された。
今回の痛みは、立位で左足に負荷がかかったときに現れます。特に中殿筋の障害が直接的な痛みの原因になっていました。中殿筋は、人間が二足歩行するうえで最も大切な筋肉といわれていて、体重をのせた側の股関節を安定させる働きをします。実はこの方は、左の膝を長年痛めていて、左に体重をのせるときに、膝に負担がかからないよう、より左股関節で支えるように立ったり歩いたりしていたのです。それが原因で、常に左の中殿筋が疲労して、今回の障害を起こしてしまったと考えられます。根本的な原因は、膝の障害にあったのです。現在、膝の施術を中心に継続施術中。