No.178 座っているとひどくなる腰痛(動くと楽になる) 35才 女性 デスクワーク

症状

左腰の痛みを訴えて来院。3日前から座っていると痛みが徐々に強くなる。 日中の動作では痛みはなく、むしろ動いていた方が楽に感じる。 セルフケアとしてストレッチをしているが症状は変わらない。3年前にも同じような腰痛を経験。病院では、レントゲン上問題は無かった為、電気治療と湿布、痛み止めを処方された。しばらく続けて痛みは取れたが、それ以来今回ほど痛みは強くないが座っていると同様な痛みが出現するようになった。最近、背中の張りも強くなってきているように感じる。 仕事はデスクワークで1日10時間デスクに向かっている。

分析

初診時の検査で顕著に痛みが誘発されたのは、上体を右斜め前に大きく曲げる事であった。この動作ですぐに痛みが誘発し増強され、姿勢を正すと痛みは消えた。また、左右側屈と前屈で痛みが誘発された。姿勢検査では、猫背と骨盤の後傾が診られ、触診では、痛みをかばうために左右腸腰筋(特に右)と脊柱起立筋(頚部~胸腰部)に強い緊張が診られた。また、患部には圧痛があった。

施術

治療は、まず緊張していた腸腰筋を緩めるようにアプローチ。患部の筋と筋膜に問題を起こしていたのでそれぞれ治療を行った。この時点で痛みは5割軽減した。また、骨盤の後頚と胸椎の後弯が強かったので、動きを付けるように矯正した。治療後、検査の際に誘発されたものは7割解消された。セルフケアとして仕事中の姿勢とエクササイズを指導した。姿勢改善の為、継続治療中。
今回の症状は、不良姿勢からくる腰痛です。不良姿勢で長く座っていることにより骨盤の左へ流れる歪みと脊柱の猫背が増強され、左腰部の筋肉に過度な負担をかけていたのが原因と思われます。この姿勢では、腸腰筋の緊張は顕著に現れ骨盤が後傾しやすくなります。動いていて楽になるのはこの拘縮していた腸腰筋を動かすことにより一時的に解除されるからだと推測されます。また、後傾した骨盤の腰部の筋肉は伸長された状態になります。この時、痛みの部位をストレッチしてしまいがちですが、痛みの部位である左の腰部は伸長されている状態でありこれに対しさらにストレッチをかけると筋肉は逆に緊張してしまいます。(伸張反射) つまりストレッチする事により悪化します。 ですので今回のケースでは左の腰部が伸ばされないような状態を維持しなけれならなかったのです。
不良姿勢は歪みをつくり歪みを増強させます。つまり良い姿勢は歪みをつくらず様々な症状の予防になります。また、セルフケアは症状の見極めが重要です。もし症状が悪化するような場合はすぐに中止し、信頼できるカイロプラクターに相談して下さい。