症状
1ヶ月前から左のお尻の奥に鋭い痛みがでるようになった。歩行時に痛みがでたり、座った状態から立ちあがる時に痛みがでたりと特定の動作ではないが、痛む場所は決まってお尻の奥に鋭い痛みが走る。
分析
初診時、姿勢検査では反り腰が顕著に見られ、また重心位置が身体の中心から大きく左にかかっており骨盤が右側に流れるように歪んでいた。普段のデスクワークでの姿勢を見たところ同じく体重が左坐骨にのっており骨盤は右へ流れるようになっていた。腰部可動域検査では痛みは再現されなかった。触診では、左の中殿筋と梨状筋(お尻の奥の筋肉)に強い緊張があり、圧痛を訴え痛みが再現されたため、梨状筋の過緊張による坐骨神経の圧迫が考えられた。
施術
治療はまず、小・中殿筋と梨状筋の過緊張を緩和させ、骨盤の歪みを形成している筋群・骨格を調整し、左右均等に重心をかけられるようにアプローチ。また、反り腰の改善のため、脊柱の前後のバランスを調整。痛みが70%軽減した後に、弱化した筋肉(大殿筋やハムストリング)を強化するためのリハビリ指導。5回の治療で痛みは消失。デスクワークのため今後の予防も含め、治療及びリハビリ指導を継続中。
今回のケースは梨状筋症候群が考えられます。一般的な症状は、「お尻の奥にビリっと鋭い痛みがでる」、「お尻からふくらはぎまたは、太腿後面に痺れがでる」などの坐骨神経痛があげられます。 80%以上の方々の坐骨神経は、梨状筋の筋腹の下を通下しています。そのため、骨盤の歪みや重心の崩れにより梨状筋が過緊張を起こすと坐骨神経が圧迫され坐骨神経痛が起こるのです。
骨盤の歪みは気付きにくいものですが、普段の私たちの何気ない動作に隠れています。以下のチェックリストに当てはまる方は注意が必要です。
1、デスクワークが長い
2、足を組む癖がある
3、歩いている時、足をよく捻る
4、スカート、もしくはパンツが回る
5、立っている時片足に体重をかけてしまう