No.169 座っていると足がしびれる 殿筋の筋筋膜性疼痛症候群と慢性腰痛 39歳 女性 デスクワーク

症状

座っている時の足のしびれと、慢性的なおしりの筋肉の痛みと腰痛を訴え来院。
痛みは15年以上前、仕事を始めた頃から始まり徐々に慢性化、悪化してきている。 デスクで座っていると殿筋(おしりの筋肉)が痛み始め、徐々に足がしびれて来る。以前は右足だけだったが最近は両方にしびれがある。 8年前に整形外科を受診し椎間板ヘルニアの診断を受け治療を行ったが痛みに変化がなかった。3年前に他の整形外科を受診し筋筋膜性疼痛症候群の診断を受けトリガーポイント注射の治療を行った。治療後には一時的に症状は劇的に軽減したが再発を繰り返している。

分析

初回検査時、両側の殿筋群、特に小中殿筋に多くのトリガーポイントが見られた。 また、姿勢は右図のように立位でおしりが落ち、それをカバーする為に股関節を前に突き出す様な姿勢になっていた。
殿筋に負荷をかけている構造的な問題(反り腰でおしりが落ちている)を改善するようにアプローチ。同時にトリガーポイントのケアを行っていった。また、再発を防ぐために殿部を圧迫しないよう座り方を指導し生活上でも気をつけるポイントをアドバイス。6回目の治療後には痛みは7割軽減し、しびれも殆ど感じない状態になった。再発を防ぐためにケアを続け、6ヶ月後も痛みの再発は無かった。

施術

下肢のしびれを伴なう慢性腰痛の中には筋肉が原因になる痛みもあります。筋肉自体が固くシコリの様の状態になり下肢のしびれ、腰痛を引き起こします。この筋筋膜性疼痛症候群は腰だけではなく肩や首、腕にも症状が出ることもあり、慢性化することが多く痛みも複雑化しやすい傾向にあります。今回のケースは、筋肉へのケア、ゆがみからくる構造負荷のケア、座り方の変化など多方面から身体のバランスを整えるアプローチが再発を防ぐ大事なポイントになっています。再発を繰り返す問題は原因が複雑化していることが多く、アプローチも多面的、段階的になることがあります。こうしたケースは問題を一つ一つ解決していく事が重要です。