症状
右背筋の痛み(背筋痛)を訴えて来院。3日前にラウンドしたが、ゴルフのプレー時に痛みはなかったが、翌朝になって右の背部(肩甲骨の下付近)に違和感が出るようになっていた。はじめは体を右にひねると少し痛かったが、だんだんと痛みも増していき、左にひねっても痛みが出るようになった。右にひねるのと左にひねるのでは痛みの種類が違う感じがする。今週末もラウンドする予定だが、バックスイングで痛みが出て動かしにくいのと、フィニッシュ時も痛みを感じる。
分析
初回検査時、姿勢は右の背筋をかばうように体が左に傾き、且つ全体的に猫背になっていた。骨盤は右に流れるような歪みがあり、左右の筋肉の使い方に違いがあった。加えて、全体的に右肩を前に出ており、身体全体にねじれが生じていた。可動域検査では右回旋で限局された右背筋痛が再現され、左回旋ではぼんやりと全体的に痛いような感じであった。側屈では回旋ほどの痛みは再現されなかった。触診で右の脊柱起立筋の過緊張がみられた。筋力検査では右背筋で局所的な痛みではないが、全体的な痛みが再現された。
施術
治療は最初に右背筋の過緊張を取り除く様に行った。 その時点で痛みはすぐに軽減し、回旋での痛みは4割まで減った。 仙腸関節、腰椎、腸腰筋、腰方形筋などにアプローチし、骨盤の右に流れる歪みを矯正。頚椎、胸椎、腸腰筋などにアプローチし、胸椎の後弯(猫背)を矯正。 右肩関節、肩甲骨、肩甲帯の筋へアプローチし、右肩の前方変位を矯正した。矯正後は痛みがほぼ消失し、1割程度残る感じであった。 3回の治療で痛みは消失、週末の予定に入っていたゴルフも無事にプレーする事ができた。プレー後のアフターケアとバランス強化のため継続治療中。
今回の症状は、歪みがひどくなり、右背筋をうまく使えない状態で スイングを繰り返ししたため起った症状です。 身体全体が左に回転し猫背の状態だと、体幹の筋肉は右に比べ左が短縮され、左に比べ右が伸張された状態になります。また関節も右に比べ左が閉じた状態で、左に比べ右が開いた状態になっています。身体の軸がぶれた状態です。 この時に右にバックスイングを行うと、右の背筋を無理な状態で使ってしまい過緊張を起こします。人によっては筋肉がつったような痛みを感じることもあります。 今回は背筋の問題でしたが、軸のぶれた状態で、力んだスイングを行うと、どこかに必ず負担がかかります。 正しい軸で力まずスイングをし、怪我のないようにゴルフを楽しんでください。