No.153 手、手首、腕(前腕)の痛み・痺れ ~ゴルフ初心者に多い症状~ 29歳 女性 デスクワーカー
症状
右手、右手首、右腕(前腕)の痛みを訴えて来院。
1カ月半前にゴルフを始める。毎日のように練習(打ちっぱなし)に行っていたが、3回目くらいから、練習後に右手が痛くなるようになった。痛みは徐々に練習後だけでなく日常でも感じるようになり、物を持ったり・つまんだりするとより痛みが再現された。仕事(PC作業)にも支障がでてきている。その後も練習を続けていたところ、手首・腕へも痛みが広がってきた。手首、腕の痛みも手と同じような動作で再現される。最近では手に若干のしびれを感じるようになった。 現在も週に1回は練習に行っており、スイング時切り返しからインパクトにおいて痛みが強い。
写真1:まずはスイング。トップから切り返しの時に、トップで肘が折れて右手首にクラブを担いでしまい、切り返しの時に余計に手首が折れて過度な負担がかかってしまうことがあります。(特に女性に多くみられます)
写真2:次にグリップ。持ち方もそうですが、力を入れて握って無理に腕で振ろうとするので、手、前腕に過度な負担がかかります。(特に男性に多くみられます)
分析
手根管症候群の検査では陽性、神経学検査は異常は見られなかった。 触診では右手首の関節の緩さが顕著であった。前腕部の筋肉の緊張が強く、手首を内側に捻る動き(回内)が制限されていた。そのために手首への負担の増強、筋肉の過緊張による痺れが考えられた。手は母指球や小指球に強い圧痛を訴えてた。
施術
治療は、最初に前腕の筋肉の緩和を重点的に行い、橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)のねじれの動き(回内)がスムーズにできるようアプローチ。次に母指球、小指球の筋緊張の緩和を行い、同時に手根骨の動きにもアプローチした。 手首はテーピングを常時してもらい関節の緩みを補強。また、根本的な原因はグリップとスイングにあると考えられたので、改善してもらうようにアドバイスした。 練習は2週間休んでもらい5回治療。練習後に多少の痛みが出るが、症状は緩和された。継続治療中。
この症状は、ゴルフ初心者の方に多くみられるものです。
こういった状況では、スイングプレーンも崩れているのでダフってしまうことも多くなり、より手首に負担をかけてしまいます。
ゴルフ初心者が力を抜いてスイングすることは難しいことです。まずは、基本的な正しいグリップとスイングをしっかりと習得するために初めだけでもレッスンを受けられて、それから練習に打ち込むことをお勧めします。