症状
慢性的な肩こりと両側のこめかみ付近の頭痛を訴えて来院。仕事を始めて外回りが多かったが、昨年末から内勤(主にPCを使用した業務)になった。半年くらい経ち、特に右側の首こりと肩こりがひどくなっていった。症状がひどくなると共にこめかみ付近の頭痛が出始めた。PCを使用した業務の時間に比例し症状は悪化することが多く、ひどい時は市販の薬を飲んでごまかしながら仕事をしている。朝は比較的楽だが、最近は朝から肩のこりがひどい時もある。学生時代から疲れた時などに、軽い肩こりと頭痛を感じることはあった。めまいや腕の痺れなどはない。視力
右0・1以下 左0・6 ※裸眼で仕事をしている。
分析
初回検査時、姿勢は左の肩に比べ極端に右肩が下がり、さらに肩が前に巻き込むようになっていて後ろの肩甲骨が盛り上がっていた。全体的に猫背になっていて、その影響で頚椎の上部のカーブがきつくなっていた。動きでは、首は右に向きづらく、深く向くと首と肩の付け根につまり感がでる。右肩をまわすと、時々中のほうでごりごりと音がなる。筋肉は頭と首の付け根の後頭下筋の緊張が強く、首では左が短縮性の緊張、右では肩が下がり伸張性の緊張がみられ、筋緊張型頭痛の可能性が高い。
施術
治療では、まず姿勢に対してアプローチ。前後のバランスをとるために、胸椎の後方変位(猫背)を減少させることで頚椎のカーブを正常に近づけ、後頭下筋の負担を取り除いた。首での左右の筋バランスが悪く、特に右の肩から首にかけての伸張性の緊張が強かったので、左の緊張を取り除きながら調整を行った。また、首と肩甲帯の連動した動きにも異常が見られたので肩甲骨周囲の筋群も調整を行った。 日常でも仕事中の姿勢やPC・マウスの位置の改善を試みてもらい、仕事中のストレッチも行ってもらった。また、朝から肩が凝っていることもあるので、1日の疲れをリセットするために、枕を変えてもらった。 6回の治療で症状は消失。筋肉のバランス・姿勢の安定の為、継続治療中。
今回の症状はマウス症候群の症状に含まれます。長時間同じ姿勢で、しかも悪い姿勢でのデスクワークにより、特に後頭下筋への負荷が大きかったと思われる。マウスを試用する際、右肩が前に巻き込み、下がったような状態でのPC操作が習慣化されると、些細なことで腕の痛み・痺れ、腱鞘炎、頭痛、寝違いを引き起こす可能性が高くなります。マウス症候群やストレートネックのチェックに該当する方は早めの対処をお勧めします。 良いデスク環境を作り、良い姿勢で作業をし、合間に簡単なストレッチなどをして、身体への負担を最小限に抑えることが予防の第一歩です。また、1日の疲れを取るために良い枕を使い、良い睡眠をとることも大切です。