症状
腰痛と左股関節の痛みを訴え来院。1年前からサルサなどのラテンダンスのレッスンに通っているが、3週間前からレッスン中に股関節の痛みを感じるようになり、同時期に腰痛を感じるようになってきた。 今まではダンスのレッスンで痛みを感じることは無かったが、旅行で飛行機に長時間乗った後のレッスンから徐々に痛みが出始めた。レッスン中に腰を左に動かす動きで股関節に痛みがあり、レッスン後には左殿部から左腰部に痛みを感じる。
分析
初回検査時、姿勢検査では、顕著に左外側に重心が流れた状態(ボディスリップ)になっていた。 股関節の可動域は左股関節が外に開きにくく、仰向けの状態で足を四の字にすると股関節に痛みを感じる。また、腰部の筋群も重心の流れを抑えるように緊張した状態で強い圧痛がみられた。
施術
重心バランスを整え、股関節の不安定性を解消するようにアプローチ。それに合わせて過剰に緊張している筋群のバランスを整えた。5回の治療で痛みは消失。練習後の腰のハリの解消と股関節の安定性を向上させる為に治療継続中。
ダンスによる股関節のトラブルは多く見受けられますが、今回のケースは座っている時間の長さが引き金になっています。座っている間にも股関節は負荷を受け左右のバランスを崩す事があり、今回の様にレッスンにも影響が出ています。身体の微妙なバランスの崩れが、ダンスのレッスンによってより強調されたことにより痛み出しました。ダンスに限らず、スポーツをするうえで重心の崩れがトラブルにつながるケースは多く、悪化すると怪我やスポーツ障害の大きな原因になります。スポーツを楽しむためにも、大きな故障になる前に早めに対処する事が肝要です。