No.103 スイングショルダー(ゴルフ肩)肩~腕の痛み 44歳 男性
症状
週末にほぼ毎週ゴルフ(練習も含む)をしている。先週末のプレー後に、左の肩甲骨の内側に重く鈍い痛みを感じた。その後腕へ痛みは広がり、安静にしていても痛みを感じる。普段はマッサージなど紛らわせていたが、今回は痛みが変わらずだんだんと強くなってきている。週末もコースに出るので痛みを緩和するために来院。
分析
初診時の姿勢検査で、痛みを避けるために左肩が下がり、首が右に傾いていた。首の動きでは左に向くことや左に倒すことが出来ず、それにより痛みが増す。左肩甲骨の内側を触ると痛い部分があり、そこから痛みが腕の方へ広がる感じがあると訴えていた。腕の感覚や筋力に問題はないので、神経的な問題は少ないと判断。加えて股関節の動きと背中の後弯(猫背)が強い姿勢をしていた。ゴルフのスイングの際に股関節が硬いことと、背中の後弯(猫背)が強いことで、身体の回転の可動域が減少していた。加えてテークバックの際には頭を動かさないので、股関節、背中が硬く身体が回りにくいことが、逆に過度の首の捻れを誘発させた。また同様に、左半身も無理に捻ることで肩が巻き込むような力が強くかかり、結果的に左肩甲骨の内側にストレスがかかり、関連痛を腕に起こすまでになってしまったと考えられる。
施術
施術は、障害を起こしている肩甲骨の内側に対して動きをつけ、かばっていた右の筋へ対してアプローチ。同時に巻き込んでいた左肩を広げることと、動きを正常に戻すようにアプローチ。 特に今回は「身体の軸」がずれた状態で、ゴルフをし続けたのが原因なので、その原因である股関節と胸椎(猫背)にアプローチし、普段から気をつけていただくように体操を指導。 強い痛みは3回で消失。ゴルフをしながらの治療継続の為、体操とゴルフ後のセルフケアをアドバイス。継続治療中。
※「身体の軸」が崩れた状態でゴルフスイングを繰り返し行うことで起きるゴルフ障害の一例です。今回のケースは典型的なスイングショルダー(ゴルフ肩)ですが、特徴として、
・ゴルフのプレー後に肩甲骨の内側が痛む
・利き手と逆の肩が下がっている(右打ちなら左肩、左打ちなら右肩)
・肩から腕にかけての痛み、痺れがある
・ゴルフのプレー後に首に重さや痛みを感じる
などの特徴があれば要注意です。