症状
慢性的な疲労、めまい、不眠、頭から背中の張りを訴え来院。疲れが取れず、頭から首、肩、背中と全身に張りと倦怠感があり、頭痛を伴うこともある。睡眠は浅く、夜中に何度も目が覚める。寝入りにめまいを感じ寝付けないこともある。心療内科を受診し自律神経失調症と診断された。安定剤と抗うつ剤が処方され服用中。薬で少し寝ることは出来るが睡眠は浅い。全身の疲労感や倦怠感は軽減せず悪化してきている。また、最近では体重の減少、めまい、頭痛、不眠なども悪化してきている。
分析
顔色も悪く、目には力が無い様子であった。姿勢検査で特に猫背が目立ち、背中の張りが非常に強く、整形学的検査ではめまいの再現もみられた。上部頚椎で前弯が強く、後頭部の筋群に強い緊張がみられ、それに伴い胸椎では後弯が強くなり背中の張りを増悪させていた。全体的にみると、姿勢の問題による背部の筋緊張と生活環境でのストレス(疲労)が大きく、疲労が蓄積し自律神経のバランスを狂わせていたと思われる。
施術
脊柱起立筋を十分に弛緩させ、問題となっている上部頚椎と胸椎(背中)の矯正を行った。また、生活環境でのストレス(疲労)をコントロールする為に、疲れにくい座り方、効果的な寝方などをアドバイス。4回の治療で背中の張りは消失。徐々に睡眠も取れるようになってきている。状態に改善はみられるものの薬の服用は急激に減らさずに医師の指示も仰ぐように指示。更なる状態の安定とストレス(疲労)をコントロールしつつ経過観察中。
今回の症状は日々蓄積していくストレス(疲労)をコントロール出来なくなっていたことが、症状の悪化原因になっていました。来院される患者さんの多くはデスクワーカーです。長時間座り続けている、パソコンに向かい続けている、あまり動かない、目を酷使する、姿勢が崩れやすいなど仕事環境から受けるストレス(疲労)が多く、それをどのようにして最小限に抑え、どのようにして次の日に持ち越さないかが重要になります。長時間デスクワークをする方にとって、疲れて症状が出てから対処することも必要ですが、デスク環境や生活環境を整え、如何に疲れにくい環境を作るか、如何に疲れを持ち越さないかが、健康で効率よく仕事が出来ることにつながります。