No.041 反り返ってしまった親指が戻らない 37歳 女性
症状
10日前に伊豆下田の海岸で転倒し、親指一本に体重を載せてしまう。現地の整形外科で検査を受けたところ、骨には異常はないが腱が切れている可能性を指摘された。帰京時には痛みが増強し、親指が背屈して(反り返って)しまい曲げられなくなる。都内の総合病院で再び検査を受け、右拇指MP関節ロッキング」と診断された。1週間の経過観察の後、手術を勧められた。
分析
以前から通院されている患者さんだったので「手術の前に・・・」と見せて頂いた。親指は反り返り、第一第二関節とも殆ど動かない状態であった。単なる突き指とは異なっており、ただ動かすと激痛が走るだけであった。損傷後10日経過しているため腫脹は見られなかった。
施術
MP関節の動きを関節腔を少し開きながらつけて行く。同時に第一中手骨底部の動きもつけていった。一日置きに3回の治療をすると背屈していた関節が徐々に正常の位置に戻ってきた。だいぶ動きが付いたところで、タオルをしぼるような動き(タオルギャザー)を何度かしてもらう。 治療開始一週間後、タオルをしぼる動作をしている時に関節部から凄い音がし、同時に痛みが出現した。その日は患部に腫れたが出たが、翌朝起きると腫れは引き、痛みも軽減した。翌日の来院時に動きをみるとほとんど屈曲できる状態に戻っていた。ただ、少し腫れがあるのでアイシングし軽くテーピングで固定する。その後経過良好。