No.265 スマホ巻き肩(上腕二頭筋腱鞘炎)

症状

3ヶ月前から左肩関節を外転肘屈曲挙上すると痛みと制限がある。整形外科でリハビリを受けるが改善せず来院される。数年前からスマホ使用時間が一日3時間、PC使用が一日7時間。肘を屈曲している時間が長い。

分析

この女性は、肩甲骨の位置異常によって、肩甲骨が挙上・前方回旋している状態であった。(巻き肩)その状態でスマホ操作やPC操作することにより上腕骨頭が前方に位置しやすくなり、上腕二頭筋腱鞘炎を発症したと思われる。
この状態は、肩インピンジメントも起こしやすい状態であります。インピンジメントとは挟むと言う意味で、肩関節にある屋根に腕の付け根の間が狭くなり、悪化すると関節唇などの組織を挟んでしまうことも考えられます。

施術

施術は、先ず、上腕二頭筋長頭の炎症部位に対して冷却(15分程度)行い、その後に、手指〜前腕〜上腕〜肩甲骨にかけての連鎖を取り除きながら、上腕二頭筋のリリースを行う。この施術により関節可動域は50%改善する。その後この肩甲骨の位置を修復するために鎖骨・肩甲骨の矯正施術を行う。(巻き肩の改善)30分後には痛み減少し、可動域も70%改善する。その後週に1回施術を行い、1ヶ月後には肩関節可動域は95%改善する。その後経過観察。

考察:
この上腕二頭筋腱鞘炎は、肘を曲げて肩を前に出して行うスマホやパソコンの長時間操作により、症状が発症しやすいと思われます。特に上腕筋群の筋力が弱い女性に多い印象です。また、このスマホやパソコン姿勢については、研究ファイルにまとめてありますので、是非参考にして頂ければと思います。

研究ファイル: スマホ巻き肩症(上腕二頭筋長頭腱鞘炎)
https://www.kizuchiro.com/research/2629.html