No.206 内くるぶしの下から足裏かかとにかけての痛み 39歳女性

症状

2ヶ月前から(内果)内くるぶしの少し下の部分から足裏かかと付近にズキっと する痛み。歩行時に痛み、走るのは大丈夫。以前にも一度同じ痛みがあったが すぐ治った。今回は安静にしていても治らない。

分析

初診時、内側縦アーチが消失し、いわゆる偏平足だった。 圧痛箇所は左足首内果(内くるぶし)の少し下(舟状骨)にあり、がわずかに腫脹がみられる。足首の可動域に異常はない。立位姿勢は、重心全体的には左に流れている。偏平足のため足の内側(親指側)で支えられず距骨下関節は回内して落ち込んでいる。(図1)これは片足立脚で顕著にみられ、舟状骨が過剰に回内し落ち込むことにより内側縦アーチが消失し、中足骨部分は不安定でグラグラしてバランスが悪い。この過剰な回内の負担が内側縦アーチ舟状骨付近に痛みを引き起こしていると考えられる。

(図2)歩行時における足底荷重移動(赤線)
写真左の正常な足では、踵から着地し外側(小指側)へ荷重移動。最後に親指側から抜けていきます。
一方、写真右の回内足では、踵から着地して同じく外側(小指側)を荷重移動するがアーチが消失しているため親指側から抜けることができない。

施術

治療は左外側への動揺性が高まった骨盤の矯正。重心を戻すようにアプローチ。(左足首の回内を助長している) 足関節の矯正。内果挙上テーピング、外反母趾テーピングで足関節を安定させる。 走っている時は荷重移動ができているため足関節には負担が少なく、歩行時の荷重移動がうまくできていないため過剰な舟状骨の回内を助長しているため歩行の指導とエクササイズを行うようアドバイス。9回の治療で痛みは無くなる。