No.199 ランニング障害 左膝の痛み (膝蓋靭帯炎) 44歳 男性 会社員(デスクワーク)

症状

毎週末に20~40㎞ランニングをしている。 3ヶ月前からランニング中に左膝のお皿付近が痛くなってきた。整形外科を受診し膝蓋靭帯炎の診断を受けた。鍼治療やマッサージで一時的に楽になっていたが1ヶ月前からランニング後数日痛みが残るようになってきた。現在痛みはないが、歩行中でも常に違和感を感じるようになってきた。このまま無理をして走っても悪化しそうと いうことで来院。

分析

初診時、全体の姿勢は反り腰で胸腰部の緊張も強い。そして正中にあるべき重心線がかなり左に寄っていた。全体的に 身体の左側すべての筋群が緊張している。 整形外科テストでは膝関節後十字靭帯の不安定さが感じられ、腿の前側の筋肉(四頭筋)に強い緊張があった。これが膝の痛みの要因の一つと考えられた。後十字靭帯は膝関節を安定させる靭帯の一つです。この靭帯が不安定になると膝関節が安定しないため、腿の前の筋肉(四頭筋)を過剰に使い安定させます。このとき膝蓋骨(膝のお皿)が一緒に上部へ引っ張られることにより痛みが出ていると考えられる。
また、左足の足底アーチが崩れており、歩行をチェックしてみると左足が地面に着いたとき、膝が内側を向き、足先は逆に外側を向いており、膝関節がねじれている状態でした。いわゆる「knee in toe out」の状態です。これは先ほどの四頭筋や殿筋への負荷が増大します。さらに膝が内側落ち込むので内側の靭帯へもストレスをかけており これも痛みの原因の一つと考えられた。

施術

治療は重心を中心に戻すと同時に四頭筋、殿筋群の緊張をとり骨盤、股関節、足関節の可動性を回復させて 膝関節の捻じれをとるようにアプローチ。膝関節はテーピングで安定させるとともに、安定させる筋肉のエクササイズと歩行の指導。5回の治療で改善。