No.194 自転車(ロードバイク)での背部痛 32歳男性 会社員(神田勤務)

症状

ロードバイクに乗っているときに出現する右肩甲骨内側の痛み。1ヶ月前から気になるようになり、少しずつ増悪傾向にある。3日前からは仕事中でも出現するようになり、呼吸が苦しく感じるようになってきた。仕事では外出とデスクワークが半分ずつくらいだが、主にデスクワークで顕著に症状が出現する。

分析

姿勢検査において左右バランスは均整がとれていた。しかし、頭方からみると右肩が著しく前方に突出していた。症状のある右肩甲骨内側の筋肉(菱形筋、中下部僧帽筋)を触診したところ硬結や圧痛が確認されトリガーポイントが形成されていた。 これらのことから右肩の前方突出という変位が症状(トリガーポイント)を形成していることが推察された。よって、症状(トリガーポイント)が形成されている原因(右肩前方変位)を特定すべく右肩甲骨周辺の検査を続けてみると右第5肋骨に動きの制限が見られた。

施術

今回の症状は筋病理によるものですが、そもそも筋に影響を与えていたものは小さな関節の固さでした。肋骨の動きに制限が生じ、ロードバイクやデスクワークなどの肩への負担が少しずつ周辺組織を蝕んでいったのです。おそらく肋骨の変位が肩甲骨の動きに少しずつ干渉するようになり、肩甲骨の動きの制限が周辺の筋肉のアンバランスを生じさせたのでしょう。
治療では、肋骨の関節(肋横突関節)と肩甲骨内側の筋肉(菱形筋、中下部僧帽筋)の両方を同時に治療していきました。2回の治療で症状が消失し、5回目には右肩の前方突出も改善されました。