症状
慢性的な腰痛を訴え来院。就職後から長時間の立位や前屈後に腰を伸ばすと痛みがあり、年々悪化の傾向にある。むくみ、腰部の倦怠感もあり、歩くときに左足が上がりにくいと感じている。職業柄、前屈みになることが多く、不規則な生活のため慢性的に疲労感を感じている。また、生理周期が安定せず、PMS(生理前症候群)で腰痛が悪化すると感じている。腰痛解消のために骨盤体操やトレーニングも行っているが変わらない。
分析
初回の検査時、可動域自体には大きな問題は見られなかった。姿勢検査では反り腰の姿勢になっており、両側のふくら脛の緊張、O脚が顕著であった。また、左右の骨盤の高さに違いがあり、左の股関節を曲げる動作で股関節前部(そけい部付近)につまり感があった。加えて、両殿部の筋群に強い緊張と圧痛が見られた。
施術
まずは、反り腰と骨盤のアンバランスを改善する為に緊張している筋群を緩め、関節の動きを整える様アプローチ。補助として生活習慣の改善(立ち方とストレッチ)を行ってもらった。5回目の治療後には痛みは80%減少し、10回目の治療後には痛みを実感する事は無くなっていた。メンテナンス継続中。
今回の症状は、骨盤の歪みと職業上の疲労が重なった結果に起きている症状です。骨盤の歪みは一概に骨盤だけの問題ではなく身体全体のバランスの問題です。今回は特に骨盤が不安定(ゆるゆる骨盤・骨盤開きタイプ)且つ、左右の捻れ(捻れ骨盤タイプ)が重なっており休養だけでは改善されないものでした。
今回のケースもそうでしたが、骨盤のゆがみを解消しようとやみくもに体操やストレッチを行ってもあまり意味が無い、又は逆効果になるケースもあります。ゆがみの状態を知り、適切な対処を行うことが重要です。