症状
動作による頭痛と首まわりの張りを訴えて来院。最近忙しく1日12時間以上パソコンに向かっていた。 首・肩周りの張りは強く感じていたが、2日前の起床時から首まわり全体の強い張りとともに、左側だけに頭痛が出るようになった。頭痛は継続するわけではなく、首を動かすと左側頭部にズキッと痛みが走る。痛みは徐々に軽減してきているが、振り返る時や上を向いた時などに痛みが出やすい。
分析
姿勢検査では猫背が強く、顎を前に突き出すような姿勢をとっていた。首の可動域は伸展と右回旋時で制限が見られ、頭部への疼痛が再現される。触診では胸鎖乳突筋・後頭下筋の過緊張とストレートネックが確認できた。
施術
まずは、過緊張を起こしている頚部の筋肉を緩め、頚椎の構造的なバランスを整える。そして、ストレートネックの原因となる猫背に対しても体全体の前後のバランスを整えるようにアプローチ。 不良姿勢改善のため、自宅や仕事場での作業環境を改善するようアドバイス。また、体操とストレッチを行ってもらった。3回の治療で可動域は改善され、動かした時の側頭部への痛みはほぼ消失、5回の治療で痛みはなくなった。依然少し頚部の緊張が診られるため、体操・ストレッチを継続しもらい、安定化のために治療を継続中。
顎を前に突き出すような不良姿勢は、頚部の緊張が増大し上部頚椎の可動域が失われていきます。小さくなった可動域を無理に動かそうとしていたため に頭痛が出ていたと考えられます。頚椎への負担と筋疲労は、神経や血管を圧迫させるだけではなく、頚椎の可動性をも制限させます。パソコン操作時の姿勢はその作業環境に依存しますので、まずはできる範囲で仕事場の環境を見直してみてください。