症状
半年前から、ピアノ演奏中に腰痛を感じるようになった。最近痛みは徐々に強くなり、 立っている時にも右腰に痛みを感じる。 ひどい時はピアノ演奏後に立ち上がると、強い痛みのため腰を伸ばすことができない。病院で検査したところ、軽度の椎間板ヘルニアがあるとの事。ピアノ演奏暦は20年を越えているがここまで強く腰痛を感じることは無かった。
分析
初回検査時、腰部の筋肉と殿部の筋肉に強い緊張と癒着がみられた。圧痛も強く、お辞儀をする動作と左に身体を倒す動作で右腰に痛みが生じる。 腰椎から下肢の右外側への関節の動揺が強くなり、座るときも立っていても重心のバランスが崩れていた。
施術
治療では、関節の動揺を安定させ、重心のバランスを整えるよう骨盤に対してアプローチを行う。股関節や足関節に対してもアジャストメントを加え、癒着を起こしている中殿筋にはグラストンテクニックを行った。5回の治療で痛みは軽快し、今現在は座り方を改善し腰痛もほとんど感じていない。
今回のケースでは、元々あった骨盤の歪みが何かしらの原因で強くなり、その上でピアノの練習を続けたため痛みが悪化したと考えられます。また、今回存在した骨盤の歪みの方向はピアノ演奏時の足使いの方向と力が合致しており、演奏すればするほど歪みは強くなる様でした。このような歪みがある状態で演奏を続けると、負担の加わっている筋肉は癒着が進み通常のマッサージやストレッチでは改善しにくくなります。そのような場合はグラストンテクニックが必要になりますのでお早めにご相談ください。