No.109 デスクワーク中の股関節の痛み 23歳 女性

症状

デスクワーク中に長時間座っていると股関節に鈍い痛みを感じる。
1ヶ月前、ストレッチをしている時に股関節付近でボキッと音がし、それ以降、長時間同じ姿勢で座っている時、ストレッチで伸ばそうとする時に股関節(右大腿部と殿部の境目付近)に鈍い痛みを感じるようになった。 水泳や自転車など定期的に運動をしているが、運動中には問題ない。

分析

股関節の可動域検査において右股関節外転時に鈍い痛みがあり可動域が減少してた。 姿勢のバランスを見ると、重心は左に寄り、右足に重心がかからない様にかばっている。(上図参照)右股関節をかばうため、左腰・左臀部に負担がかかり、筋肉の緊張が強くなっている。左側の筋の緊張が強い為、右側へ体幹を倒す時に緊した筋肉に引っ張られて可動域に制限が見られた。 逆に、右股関節は外側に重心が流れている為、関節の軸が崩れている。不安定な状態(噛み合せの悪い状態)の関節にストレッチを加えた事が痛みを生じたものと考え、股関節の可動性と安定性を回復させる様にアプローチ。

施術

治療では、左右の股関節が不均衡な状態を改善する為に重心のバランスを取りつつ、右股関節の安定性を高める為に股関節周囲の筋群のバランスを整えた。3回目の治療で痛みは消失し可動域も回復。日常的に重心のバランスが崩れる癖がある為、右股関節周りの張りが少し残っている。座り方や立ち方など普段の姿勢に気をつけ、正しいストレッチの仕方を指導し、現在継続治療中。

日常的に長時間の「立ちっぱなし」「座りっぱなし」は、体の重心を崩す原因になります。身体の重心が崩れ、関節の軸が崩れた状態で無理なストレッチやヨガを行うと、今回のケースのように関節のトラブルを招き易くなります。効率よくストレッチや運動を行う為には身体の歪みがない事が重要です。また、無理やり伸ばすようなストレッチや身体に過負荷をかけるような運動は身体を痛める原因になりますのでご注意下さい。