症状
半年前より週に4回、5キロランニングするようになる。
一ヶ月前から走っていて左足首に痛みが生じる。1週間前に腫れが生じ整形外科にてX線検査してもらうが特に異常は認められず、捻挫を診断され炎症を止める薬処方してもらう。 しかし、その後も腫れが引かず来院。
上図(足の親指側からの図)で見ると、今回のケースでは距骨・舟状骨・第一楔状骨が落下していた。
分析
初回検査時、左の写真のように左足首内顆に腫れが生じた状態である。検査では、すべての可動域は減少し、体重負荷時に外反で陽性となる。他の検査では問題なし。足関節を調べると距骨・舟状骨・第一楔状骨が落下し脛骨と距骨との関節(距腿関節)において骨重心が崩れ炎症を引き起こしていたようです。
*距腿関節 (Ankle/Talocrural J.):脛骨および腓骨と距骨との間の、屈曲、伸展を行う蝶番関節です。脛骨の遠位 端と距骨滑車 (Trochlea)、脛骨の内果(Medial Malleolus) と距骨内果 面、腓骨の外果(Lateral Malleolus) と距骨外果面、この3つの関節面 をもちます。
施術
治療は、まず足の痛みからくる身体全体のバランスを評価し、足関節における外反になる原因の除去を第一に考え、足関節にかかる骨重心をとる治療をする。また、それより上部関節である脛腓骨間関節・股関節・仙腸関節へのリンクした歪みの改善をする。
今回のケースは、ジョギング専用の高機能シューズに替えてから違和感が生じてきたようです。 そのようなシューズは足底のアーチをサポートするように作られているのが一般的ですが、その人の足の状態を改善するにあたり、足底アーチを形成する筋肉を鍛え、また骨重心のバランスをとる必要があると思います。 使い方を失った関節や筋肉に早期の適切な処置をした後にそのような高機能シューズを使用すればより効果的で怪我も少なくなるはずです。 また足の問題は、その上位の関節すべて(言い換えれば身体全体)に悪影響を及ぼすので注意が必要です。