ダンサー障害(DANCE障害)
一言にダンスと言っても、バレエ、フラメンコ、社交ダンス、ジャズダンス、フラダンス、コンテンポラリー等様々です。これらのダンスで共通しているのは、身体を絞る動作が多いことです。こららダンサーの障害に多いのが身体の軸の狂いによる腰痛・股関節痛・膝痛などです。
ダンスは、基本的に同じ方向に回旋することが多く、どなたでもどちらか得意な回旋方向があるはずです?この得意な回旋方向がその人の体に”絞り”を加え雑巾を絞ったような状態にさせてしまいます。身体を絞っても、その絞りが解ける動きができれば、もちろん問題ありません。しかし、ダンス障害を起こす方は、この絞った身体が反対の動きをしても元に戻らないのです。
この状態のことを『雑巾絞り症候群』と名づけました。身体を絞るけど、その絞りが『乾いて固まった雑巾のように解けない状態』になって身体の不調を感じ来院される方が多いのです。
以下の男性の画像ご覧ください。
左足で立った時は、中心軸より頭を左に位置させ重心をとっています。
右足で立った時は股関節を外側に出してしまうので頭の重心は真ん中によりに戻しています。この方は、左足で回旋動作をするときは安定しますが、右足軸では、安定できません。
この状態を修正していくには、不得意な側の外側に向かう『力のベクトル』を中心に集める必要があります。
この両足からの力のベクトルを中心軸に集める *パワーハウス理論 によって雑巾症候群は解消いたします。結果、累積した絞りが解けるので、障害を起こしにくく、かつパフォーマンスも向上するのです。
ただしアスリートに重要なのは優先事項は、パフォーマンスです。短期的にこのパフォーマンスを維持するためには、自分の回旋しやすい方向を少し戻すと言うのがポイントです。反対側を得意にする必要はありません。累積した絞りをとってあげるのが重要になります。但し、長期的に見れば反対側の動きもできるようになればより怪我のリスクは減ります。
例えばゴルフのスイングで言えば右打の方がパー72で回れるプロ並みの方が、左打でもパー72前後で回れる左右対象のスイングができるようになったと言う事は、得意な絞りが解け、反対側でも雑巾を絞れることになったと言っても過言ではないかと思います。
ちなみに、この雑巾絞り症候群の方は、腰が反ったりし、上向に寝しにくくなります。身体が捻れているので、上向き寝ではなく、横向きやうつ伏せ寝を好む傾向があります。上向寝しにくくなったら、それは身体から発するサインでもあるのです。
*パワーハウス理論:床からの力のベクトルを脊柱に伝えるため、両足先から膝・股関節・仙腸関節・脊柱へと繋げるための上行性連鎖によってできる骨盤アーチを使って起こる抗重力なベクトルとその身体の使い方理論 by Tadaaki Kizu
文責:木津直昭