日本カイロプラクティック科学学会 学術大会に参加して:チーフカイロプラクター 原田勇人

11月11・12日と幕張メッセ国際会議場にて行われた、日本カイロプラクティック科学学会 学術大会に参加してきました。
テーマは「スポーツとカイロプラクティック」です。
1日目には母校である東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(以下、TCC)の講義もお持ちの帝京平成大学の鶴岡先生の研究発表や、TCC学生の卒業研究発表がありました。
卒業するときに四苦八苦する壁の一つであり、自分が学生のときの苦い経験が思い出されつつ、緊張している姿を見て懐かしくもありました。
 
そして実は私もスピーカーとして登壇させていただく機会をいただいておりました。
もちろんテーマは「カイロプラクターとしてスポーツに携わる」です。
日本ではカイロプラクティックそのものがマイナーなために、スポーツ業界ではもっとマイナーな存在となってしまいます。
ですが、そんな話は日本くらいなもので、アメリカではリオ・オリンピック・パラリンピックの際に、チームUSAの医療班のトップを整形外科からカイロプラクターに変えたくらいメジャーです。
そんな話を交えながら、自分が2016年にアルティメット女子代表チームトレーナーとして世界大会に帯同した時の話や、スポーツの現場でとクリニックでの違い、これからどうスポーツに携わっていくか、というようなお話をさせていただきました。
その後、大先輩カイロプラクターの方々と一緒にパネルディスカッションをさせていただき、スポーツに携わることで生じる苦労話やアスリートを診る上で大切にしていること、などの話で盛り上がりました。
中でも、リオ・オリンピックで選手村内にあるポリクリニックで活動された経験のある北海道の後藤先生、記憶に新しい平昌オリンピックでアルペンスキーの選手に帯同された平木先生のお話には会場内も興味深々の様子でした。
 
2日目には、フィリピンのカイロプラクターでフィリピンオリンピック委員会医療部長でもあるマーティン・カマラ先生の講義も開かれ、スポーツにおけるカイロプラクティックの必要性をますます感じることができました。
この日の一番の盛り上がりは何と言っても、カマラ先生が実際に臨床で使っている検査方法や施術方法の紹介です。通常は写真撮影や動画録画などは拒まれる先生が多いにもかかわらず、カマラ先生は自由にやっていいよと太っ腹宣言です。
出席者の皆さんがこぞって前に出てスマホで録画していました。カマラ先生はスポーツカイロプラクティックを自分だけのものではなく、たくさんの人とシェアし、その各々がスポーツで活躍してほしいと考えているのではないかと勝手に考えたりもしてました。
毎度のことながら、海外から日本に来てくれるほとんど全ての先生が、とてもエネルギッシュで講義を受けているだけなのにパワーをもらい、早く明日から臨床をして先生方に追いつきたい!とウズウズしてしまいます。
DR.マーティン・カマラ氏と2ショット
 
そんな2日間でしたが、ここでは書き表せられないくらいの出会いや情報の共有ができたことは、今後の自分のカイロプラクティック人生の一つの礎となることでしょう。
昨年まではシンポジウムであったものを学会・学術大会という形にし、少しでも日本国内でのカイロプラクティックの位置付けを変えるために研究を行い、経験則だけに頼ったものにしない、という考えから行われた2日間は業界としても大きな成果ではないでしょうか。そしてその情報を多くの人と共有することで、業界として必要な共通認識を作り、より活動の幅を広げるきっかけになるのではないかと考えています
 
スポーツに限ったことではないですが、日本国民にカイロプラクティックが必要とされるまでその繰り返しが必要で、その一端を担えるように日々努力を惜しまず活動していきたいと思います。
 
ライフプラス二子玉川 院長
KIZUカイロプラクティック本院 非常勤チーフカイロプラクター
原田勇人