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書籍「パソコン、スマホで筋肉が癒着する!」刊行について

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以下 本書プロローグより------------------------------------------------
 皆さんも一度は経験したことがある肩こり、首こり、頭痛、背中や腰の痛みやこり、そして腕や足への痛みやしびれ等。これらの症状は様々な要因が複合的にからまり、辛い症状を出現させているのだと思います。その要因の中で、近年、重要なファクターであるのが、この本のテーマである“筋の癒着”なのです。それは25年以上の臨床経験の中で多くの患者さんの身体が教えてくれたことです。
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 臨床の現場で、10年程前からパソコンの長時間使用によるもの、またマウスによる影響で来院される患者さんが気になり始め、それ以来、パソコンやマウスによる不調は、様々な形で人々の身体を蝕みはじめました。 その障害について、3年半前に出版会社からの依頼で「マウス症候群」という仮タイトルで執筆活動がスタートしたのです。
近年は、スマホやアイパッドなどの端末の普及によりパソコン以外の電子端末による身体への影響も軽視できなくなってきました。また、来院される患者さんの症状も単純な障害ではなく、頑固で複雑な症状が増えてきている気がしています。それらの症状の要因になっていると考えられる、「筋肉の癒着」にフォーカスし、痛みやこり・しびれ等の予防と対策など、より実践的な構成にしてあります。
題して「パソコン、スマホで筋肉が癒着する!」です。
聞きなれない言葉なので、どこまで浸透するかわかりませんが、この本に書いてあることは、現在痛みを抱えている人、今は痛みや不調がなくても、パソコンやスマホを使う方には必須な内容になっていると自負しています。
是非とも、多くの人に読んでもらえればと思っています。

本書が、パソコン社会に警鐘を鳴らし、辛い症状で悩む方々に少しでもお役に立てればと考えています。


この書にあたり尽力して頂いた、佐藤敏子さんはじめ、出版社の方々、アンケートに快くご協力頂いた「よしき皮膚科クリニック」の吉木伸子先生、貴重なアドバイスを頂いた「グラストンテクニックジャパン」の川西陽三先生、多忙な中、原稿を読んで推薦文まで書いて頂いた「竹谷内医院」竹谷内康修先生、そして忙しい仕事の合間に手伝ってくれたKIZUカイロスタッフ皆など多くの方々のお陰で出版することができました。皆様に心より感謝いたします。また何よりもこの本書にある内容は、すべて来院される患者さんの身体が教えてくれたことなのです。
患者さんに改めて感謝です! 
                                                     2012.7.20 KIZUカイロプラクティック 木津直昭

*本書については、アマゾンや大型書店で販売しています。また、本院、ANNEX、二子玉川各クリニックでも購入できますので宜しくお願いいたします。

反り腰による影響 Part1


当コラムにて「反り腰」を初めて取り上げたのが、5年以上前だと思います。

その後の「反り腰」の患者さんですが・・・残念なことに小学生からOL、主婦、スポーツしている女性、していないに関わらず、もちろん高齢者にも、年々、悪化傾向にある気がしています。

女性の方は、腰痛や肩こり、頭痛などが主症状で来院されますが、その多くの患者さんが外反母趾、偏平足、膝痛や股関節痛等、何かしらの障害を持ち合わせています。そして、症状の強弱はあるものの、それらの患者さんは、かなりの確率で「反り腰」の影響を受けていると言っても過言ではありません。逆を言えば、「反り腰」が治れば、様々な不定愁訴は改善し、快適な生活がおくれる可能性が高いのです。

私の臨床的見解に過ぎないのですが、上半身の不定愁訴(頑固な肩こりや頭痛、手腕のしびれや痛み等)もこの「反り腰」による背骨全体のアライメントの崩れが大きく作用していると考えています。最近、特に目立つ「ストレートネック」の患者さんも、この「反り腰」を持ち合わせていることが多いのです。

一見、腰の状態がなぜ首や肩にと?疑問に思われるのではないでしょうか?

実はこの現象は「当然の結果」なのです。地面からの力を足先で受けて、それが左右の股関節を経由して腸骨、仙骨へ、そして、その力が腰から脊柱を通って頭部に至ります。腰の反りは、足先からの連動の結果です。ということは、当然その上(腰、背中、肩、首)のどこに不調が起きてもおかしくないのです。

次回は、反り腰によって起っている身体の中の回転についてお話いたします。


「反り腰」による主な症状:
1.腰痛(慢性的な腰痛や急性のギックリ腰)
2.坐骨神経痛(脚のシビレ痛み)
3.股関節痛(お尻の痛みも含む)
4.上向きで寝にくい、上向きで寝ると腰が浮く。
5.朝身体が固まり、洗顔の際に前屈がつらい。
6.猫背が気になる。
7..頑固な首こり・肩こり・背中のこりや痛み
8.外反母趾や偏平足(足底アーチの落下)

*反り腰が気になる方は、早急にカイロプラクターや専門医に相談しましょう!


ディレクター ブログ「最近、女性によく見られる「反り腰」について」
http://www.kizuchiro.com/director_blog/diary.cgi?no=105

KIZUカイロ 健康ニュース「反り腰とは」
http://www.chiro-news.com/news/0082.shtml

箸・ボールペンの持ち方とマウスの使い方による親指の痛み

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ボールペンなどの筆記用具を上の写真のような持ち方(親指の先端を使わずに付け根で持つ)をしている人を多くみかけます。このような使い方をしていると、親指の関節に偏った力が加わり、筋の癒着が進行し、指に力が入らないとか、曲げられないと言った障害の原因になります。
実は、この使い方ですが、他の日常生活においても同じ使い方をしていることが多いのです。これは数年前からですが、外食した時などに、他の人の箸の使い方に注目するとこの握り方(まさしく箸を「握っている」感じなのです)をしている人が意外に多いことに驚かされます。

この持ち方をしている人は、PCマウスも同じ使い方をしている可能性が高いのです。上写真の患者さんは、PCデザイナーでマウスの使いすぎにより親指を曲げられない痛み症状で来院されました。この方はマウス以外でも、ボールペン・ゴルフのグリップ・洗濯ばさみを使う時も同じ使い方でした。では、なぜこのような持ち方をしていると障害の原因になるのでしょうか?

それは、先述した親指への偏った力だけではなく、「親指の先を使って持った時」と「付け根で持った時」で手首から肘、腕、そして肩への力のかかり方がまったく違うのです。言い換えれば「付け根で持った時」の持ち方は、「肩に力が入った状態」なのです。逆に「親指の先を使って持った時」の持ち方は、脱力した状態なのです。皆さんも一度試しに比べてみてください!


*この持ち方ですが、気になるのが、ネイルアートをしている女性たちです。指先を使いにくいので、どうしてもこの使い方になるのではないかと危惧しています。

筋バランスと障害の関係~②アスリートに多発するアキレス腱の障害

今回は、様々なアスリートに多発する「アキレス腱の障害」についてお話いたします。
アキレス腱は主に腓腹筋とひらめ筋により構成されています。これらの筋群は、使用頻度も多く、疲労や使い方によっては、「筋バランスの拮抗と障害」が起る可能性の高い部位と考えています。では、なぜこのアキレス腱に障害が起きやすいのでしょうか?
それは、足関節の使い方にあります。やはり足関節にも屈筋群と伸筋群があります。底屈させるのが屈筋群で、その代表が腓腹筋やひらめ筋です。
これら屈筋群は強固な筋肉群で1トン以上の錘をぶら下げても耐えられると言われています。そして、拮抗する伸筋群の代表は前脛骨筋や長短趾伸筋ですが、これらの伸筋群は日常生活を見てみればわかることなのですが、例えば、歩行の際に足先を挙げる時や車のブレーキペダルに足をかけている時などあまり負荷がかかる動作は少ないのです。まして歩行の際に、靴(ブーツ)を履いているとほとんど使わなくていい状態なのです。

皆様も実験してみてください。立って、踵で立つ感じにして足先を宙に浮かしてみてください。この時にアキレス腱は伸びるように働かなくてはいけません。今度は逆につま先立ちをするようにしてください。この時はアキレス腱が縮まるように働いています。この「伸びた状態から縮んだ状態」のアキレス腱の正常な長さなのです。
しかし実際は、このアキレス腱の長さは使っていません。逆に縮ませて使う事が多くなっているのです。
特にスポーツしていると縮んだ状態で使うことが多くなるので自然に屈筋と伸筋のバランスは崩れていきます。そして徐々に関節腔を狭めていき、アキレス腱を伸ばすことができなくなってしますのです。その時に起るのが、アキレス腱の筋・筋膜の癒着や肥厚(下図③)です。この存在により徐々に関節腔が狭まり(下図④)、行く行くは関節がぶつかってしまうのです。結果、アキレス腱の痛みや腓腹筋とひらめ筋の肉離れの原因になってしまうのです。

*アキレス腱の治療について
この筋バランスの拮抗を取り戻すためには、筋の癒着を取り除く必要があります。ただ、単にマッサージやストレッチなどで筋を伸ばすだけでは、改善しません。過負荷にさらされていた筋・筋膜は、伸び縮みする機能が低下してしまうことが多いのですが、このような状態になるとストレッチは出来るだけ避けた方が懸命です。(ストレッチしますと伸びない筋組織の存在が関節腔を狭め、逆効果になるからです。)これらの筋に対しては、最大可動域の中でグラストンテクニックの施術をすることにより筋・筋膜の癒着を取り除き、筋自体の質をあげ、その後徐々にストレッチを加え、正常な伸縮が出来る状態にしてから伸筋群の強化・運動連鎖を考慮に入れた使い方を指導することがベストな施術と考えています。

アキレス腱グラストンテクニック施術後の変化


       治療前                3回治療後


*上記の写真より3回治療後(週に一度)には、足首の角度が鋭角になっていて、アキレス腱が伸びるようになったのがわかると思います。以下のイラストがそのメカニズムです。③が筋・筋膜の癒着であり、④その時に関節腔がないことを示しています。①は癒着が取り除かれ伸びるようになり、②は関節腔には空間ができたところです。

      治療前                        治療後

* 以下患者さんのコメントです。
「初めアキレス腱のストレッチを行うと足首に詰まった感覚があり伸ばせなかったのが、グラストン施術後には、その足関節の詰まった感覚がなくなりスムーズに深く伸ばせるようになった。」
*今回は触れませんでしたが、このアキレス腱障害の原因として足底アーチの低下が大きな影響を及ぼしていると考えています。

筋バランスと障害の関係~①投球動作の障害(野球肩)について


 上の写真は綺麗な投球フォームで投げる北海道日本ハムファイターズの斉藤祐樹投手です。(日本ハムファンではありませんが・・)今年はダルビッシュ投手の穴を埋め、エースとして素晴らしい活躍です!
 ところで、今回はピッチャーの投球動作においての「筋バランスの拮抗と障害」についてお話いたします。投手でよく障害を起こすのが肩や肘ですが、この投球動作の際に肩の内旋と外旋の筋バランスが重要になるのです。
投球動作の際、最も肩を痛めやすいと言われているのがリリースからフォロースルーにかけてです。投球肩が最大外旋した状態から、ボールがリリースされるところまでに急激な内旋ひねり動作を行います。この時に肩関節内部のローテーターカフが重要な役割を果たすのですが、その中でも重要なのが、最大外旋から内旋へのシフトなのです。この筋バランスが崩れるとパフォーマンスは落ちますし肩や肘を痛めてしまうのです。
肩関節の外旋筋は、主に棘下筋、小円筋です。そして代表的内旋筋は、肩甲下筋です。これらの拮抗バランスが重要になるのです。もちろんその他の肩甲骨リズムを作る筋肉や体幹の筋バランスも重要ですが、今回は、この内旋と外旋についてフォーカスして説明いたします。
肩を後ろに引いた最大外旋時、野球肩では外旋筋が収縮性の緊張が起こります。同時に内旋筋では伸長性の緊張が起こっています。これをボールがリリースする迄の間に逆転させる必要があるのです。結果、リリースからフォロースルーにかけては先ほどの反対の現象が起きるのです。外旋筋では伸長性収縮が起き、腕から肩にかけて伸びきるのを制御します。内旋筋では、肩をスムーズに内旋させ関節腔に遊びを作っているのです。
下の図は、肩の内旋・外旋の模様をイラストにしています。


このイラストの場合、①は正常な外旋筋と②余裕のある関節腔を示しています。③は肩の外旋筋の筋・筋膜に癒着が生じスムーズな内旋ができない様子が描かれています。癒着が存在することにより、④関節腔が狭いのでスムーズな内旋が出来なくなっているのです。結果、肩では、パフォーマンスが低下し、障害が起きる可能性が高いのです。また、この状態を簡単に説明すると(投手が感じている状態)肩の前が緩んだ感じで、後ろ側が緊張したバランスになっている状態なのです。そしてこの状態が悪化すると関節唇障害やインピンジメント障害などを起こす危険性があるのです。

*この野球肩の治療について:この筋バランスの拮抗を取り戻すためには、筋の癒着を取り除く必要があります。ただ、単にマッサージなどで筋を伸ばすだけでは、改善しません。過負荷にさらされていた筋・筋膜は、伸び縮みする機能が低下してしまうことが多いのですが、このような状態になるとストレッチは出来るだけ避けた方が懸命です。(ストレッチしますと伸びない筋組織の存在が関節腔を狭め、逆効果になるからです。)これらの筋に対しては、グラストンテクニックで癒着を取り除き、筋自体の質をあげ、その後徐々にストレッチを加え、正常な伸縮が出来る状態にしてからセラバンド等でのトレーニングにより運動連鎖の回復を計るのがベストと考えます。