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カイロプラクティック機能神経学

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先日、カイロプラクティック神経学のセミナーを受講してきました。

このセミナーは頭の固い自分には、なかなか難しく理解に時間を要するのですが、今回は一年間受けてきた総まとめの2daysセミナーということで、ロスから講師の吉沢公二先生がマンツーマンのわかり易い講義・指導をしてくれました。

カイロプラクティック機能神経学ですが、簡単に言えば、脳の大脳非対称(ヘミスフェリシティ)を評価し正常に戻していく治療法です。

この機能神経学の分野では、アメリカのFrederick Robert Carrick, DC, PhD(Dr.キャリック)が難病治療の分野でとても有名で、世界各国から患者が訪れています。(下段のyoutubeをご覧ください)この分野は日本ではまだまだ知られていませんが、用途は広く、一般的な筋骨格系の機能障害から自律神経系、内分泌系、免疫系、小児の学習障害など多くの疾患に有効とされています。

自分自身も1年前から、臨床で何人かの患者さんに驚くべき治療効果があったのも事実です。

 今後、この機能神経学の治療を積極的に導入して行こうと考えていますので、治療中に、脳の非対称を評価するために、眼球や小脳の検査など今までとは違った検査をすることもありますがご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。
(上記写真は、カイロプラクティック神経科医の吉沢公二先生)

●Dr.キャリック治療動画●

以下機能神経学についての文献の英訳です。
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機能的な大脳非対称(ヘミスフェリシティ)の研究は、行動・生物医学の歴史上長く行われています。

同時に、今日の機能神経学で最も激しい論争を起こしている概念の1つでもあります。

人間の脳の非対称性は文献でも報告され確立されています。この非対称性と神経機能の明確な関連性が、議論の的になっています。

大脳半球の非対称性(偏倚)の概念は、2つの半球はそれぞれ人間の機能の違った側面を支配し、その活動の程度も左右で異なるという前提の上に成り立ちます。
それぞれの半球の活動レベルは、末梢神経からの刺激量・栄養と酸素の供給量に影響を受ける中枢の統合状態によります。求心性刺激は脳幹と視床を通りますが、これらも同じく非対称性があるため、その過程で変調されます。

これまでのヘミスフェリシティは、言語と視空間の情報処理についてのみ適用されていました。現在では、大脳非対称性調節を含むより複雑な理論に発展しました。例えば、感情の楽観性と悲観性のバランス・自律神経の非対称性調節・左右非対称の末梢感覚などに加えて、認知・注意・学習・感情にも影響を与えます。

大脳半球は、構造的に左右で違うという単純なものではありません。視床・扁桃体・海馬・尾状核・大脳基底核・黒質・赤核・小脳・脳幹網様体核・末梢神経系という両側性に存在する構造の機能的非対称の可能性も含みます。

ヘミスフェリシティは、脊柱を含む身体全体の機能異常を引き起こします。その主な症状を下記に記します。

サブラクセーション
脊柱の硬さ(伸筋群の機能亢進)
脊椎症
脊柱内在筋の弱化(不良姿勢)
頸椎・腰椎の前弯減少
胸椎の後弯増大
前後・左右での重心動揺
骨盤底筋の弱化

Beck WR. Functional Neurology for Practitioners of Manual Therapy. Elsevier/Churchill Livingstone;2008. 8-9p.
吉沢セミナー実行委員会
訳:坂西龍之介
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