以前のブログでも取り上げた「ドケルバン病」ですが、聖路加国際病院の整形外科医 辻荘市先生にもご協力頂き、更なる研究を続けています。
前回もお話したとおり、この障害が起きる人と起きない人がいるのは、習慣的な指の使い方が原因にあると考えます。このドケルバン病は、指を屈曲して使う時に関節を伸展させて使う結果、あまり親指を使わない人でも生じることがあるのです。上の写真をご覧ください。この方は、現在2人目の9ヶ月のお子さんを育児中の35歳の主婦です。手のひら側で親指がこのように変形している方にドケルバン病は多く見かけます。(このような変形がない方もいます)
この状態は、母指伸筋腱に炎症や肥厚、癒着がある場合に起こっています。結果、手のひらを開こうとするとこのような変形した形になってしまうのです。
これは、解剖学的に言うと、母指の中手骨と大菱形骨との関節の変位によるものです。
繰り返しになりますが、通常であれば子供を抱っこする時に親指を屈曲して使えば、この母指伸筋腱に負荷はかかりません。しかし、これらの変形があったり、他の4本の指を屈曲して使い、親指だけ使わないとしたら、親指は伸展位にあります。
この現象がドバルゲン病の正体であると考えます。(キーボードやマウスの操作でも同じ事が起きる方も増えています)
来院された患者さんで、最近見えた患者さんで5人の方の治療で、このメカニズムにそった加療した結果、早期に改善しています。
この障害への施術ですが、これらのメカニズムを考慮に入れ、伸展筋に負荷がかからないように親指の関節を正しい配列にすることにより治癒へ導かれると思われます。(腱の癒着にはグラストンテクニックが効果的です)
お悩みの方は、一度ご相談ください。
■過去のブログ
*ドケルバン病の研究
http://www.kizuchiro.com/director_blog/diary.cgi?no=223
*親指の使い方に関しては
http://www.kizuchiro.com/director_blog/diary.cgi?field=3