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ドケルバン病の研究

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昔から産後の女性に多いとされる「ドケルバン病」ですが、最近では、パソコンなどの電子端末の使い過ぎで発症するケースも珍しくありません。

このドケルバン病は親指を伸ばす筋である、短母指伸筋腱と長母指外転筋が手首の背側にあるトンネル(腱鞘)で起こる腱鞘炎です。

このトンネルの中を通過する腱に炎症が起こった状態で、腱の動きがスムーズでなくなり、手首の母指側から手首かけてが痛み、腫れる場合もあります。母指や手首を広げたり、動かしたりするとこの場所に強い疼痛が走ります。


原因としては、主にこれら二つの腱を使いすぎたことにより生じます。子供を抱っこする機会が増える出産後の女性や更年期の女性にも多く見受けられます。
また、最近ではパソコンのキーボード操作やマウス操作、そしてスマホを使う方にも多く発症する傾向のようです。

病態としては、母指の使いすぎによる負荷のため、腱鞘が肥厚したり、腱の表面が傷んだりして、さらにそれが刺激し、悪循環が生じると考えられています。


診断は、上記の部位に腫脹や圧痛があり、母指を他の指で包み込み、そのまま小指側に曲げると痛みが増強することで診断します。
(上写真:フィンケルシュタインテスト)

 では、なぜ、この障害が起きる人と起きない人がいるのでしょうか?私の研究では、このドケルバン病は、指を屈曲して使う時に関節を伸展させて使うからだと考えています。

その結果、あまり親指を使わない人でも生じることがあるのです。例えば、子供を抱っこする時に親指を屈曲して使えば、この腱に負荷はかかりません。しかし他の4本の指を屈曲して使い、親指だけ使わないとしたら、親指は伸展位にあります。

この現象がドバルゲン病の正体であると考えます。

この障害の治療ですが、これらのメカニズムを考慮に入れ、伸展筋に負荷がかからないように親指の関節を正しい配列にすることにより治癒へ導かれます。
(腱の癒着にはグラストンテクニックが効果的です)
この障害が起きた時のテーピング法をご紹介いたします。以下のように軽く張りを持たせキネシオテープを親指から手首にかけて貼るといいでしょう。このテーピングをした後に、先ほどのテストを行ってみてください。上手く貼れていれば先ほどの痛みが軽減されているはずです。

参考資料:日本整形外科学会

*親指の使い方に関しては以前、ブログで取り上げておりますのでご興味ある方はご覧ください。
http://www.kizuchiro.com/director_blog/diary.cgi?field=3