前々回のブログでお伝えした、骨盤アーチですが、このアーチを形成する時に大切な筋群があります。それをピラティスでは「パワーハウス」と言ったりします。
パワーを出す源だからこそこの名前がつけられたのだと思います。
このパワーハウス、主に、腹横筋、骨盤底筋群、多裂筋、横隔膜で構成されています。
身体の前面からサイドにかけては腹横筋、後ろ側は多裂筋、下を閉めるのが骨盤底筋群、上ぶたが横隔膜なのです。
このパワーハウスを上手く使えると抗重力な効果があります。
身体を縦に伸ばしながら安定させることができるのです。一般的な腹筋運動を思い出してください。(試しに腹筋されてみてもいいです)身体を縦に縮めているのが体感できると思います。お腹の筋肉の代名詞として使われている腹直筋は身体の上下についているので、収縮させれば縦に縮める働きがあります。しかしこれらパワーハウスを構成する筋群は、縦に縮めないのです。縦に縮めてしまうと力んだ状態となり動きが制限されてしまいます。しかし縦に伸びた状態だと抗重力となり、バレリーナやダンサーなどの宙に浮くようなしなやかな動きやイチロー選手の飛ぶような走りを可能にするのです。
では誰でもこのパワーハウスを作ることができるかですが、答えはイエスです。
ただ、そこには少なからず基盤が必要です。家を作るには地盤がしっかりしていないといけないし、しっかりとした柱や腕の確かな大工が必要です。身体のパワーハウスも同様です。足先~膝~股関節~骨盤~背骨(柱)に対してパワーがバランスよく伝わらないといけないし、またそれらを構成する筋群が正しく使われないといけないのです。
それらが整えば、骨盤アーチが正しく機能し、身体を抗重力にさせてくれるのです。
多くの腰痛の原因は、骨盤アーチが使えない状態=パワーハウスが不完全な状態であるから起きてしまうのだと思います。骨盤アーチが機能しないと、結果、ギックリ腰、椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、脊柱管狭窄症、慢性的な腰痛等に悩まされる可能性が高いのです。
カイロプラクティックで行うことは、足関節、膝関節、股関節、骨盤、腰椎へのバランスを取り除き、足先からのパワーを骨盤~脊柱に伝えるためにどこが悪いかをチェックし、そこを修正させます。そしてそれらに関連する筋肉を正しく使えるようにします。
そこにピラティスの考えである、パワーハウスを強化し、抗重力な状態に正しく使えるようにしてあげれば、多くの人が苦しんでいる腰痛全般の改善から予防までをカバーできると考えています。
*余談ですが、今年4月からピラティスの指導員コースを受講しました。このコースでは、あらゆるムーブメントにおいて身体(脊柱・骨盤など)を意識し、縦に伸びる感覚を持ちながら使うことができないといけないし、人が行っているムーブメントを観察・評価できないとなりません。年齢的にも身体が固くなってきているのでとても辛かったのですが、無事合格することができました。ピラティスを体感することにより、骨盤アーチの重要性への認識がさらに増しました。そして身体を治す、予防する。パフォーマンスを向上させる。美しい姿勢を作る。すべてにおいてカイロプラクティックとピラティスの融合の必要性を強く感じています。
ピラティスを教示してくれたBody Element System Japan 菅原順二氏、田岡花子氏、スタッフの皆さんに心より感謝です。
*写真は、ピラティス創設者のジョセフ・ピラティスさんとピラティス指導員コース修了証
(http://www.arancia78.jp/ BESJサイトより掲載)
●腰を痛める原因について①「重力」と「骨盤アーチ」
http://www.kizuchiro.com/director_blog/diary.cgi?no=217