前回のブログで取り上げた11箇所の症状ですが、どれも様々な障害の原因になりますが、中でも注目したいのが今回の「前肩」です。この「前肩」ですが、パソコン使用時間が長くなるのと比例するように深刻化しています。筋肉量が少ない女性に特に多い症状です。
★なぜ前肩になるのでしょうか?
①座り仕事が多いこと
②パソコンやスマホなど、身体の前で作業する時間が長いこと
③体幹の筋力が弱いこと
④肩甲骨周辺の筋バランスの崩れ
⑤肩甲骨の正しい位置が認識されていないこと
★前方による影響は?
①首や肩の可動域が狭くなる
②首や肩の痛みや凝りの原因になる
③ストレートネックになりやすい
④胸郭出口症候群の原因になる
⑤猫背になりやすい
⑥呼吸が浅くなる
⑦胸が下に引っ張られ、バストがたれやすくなる
この中でも特に気になるのが、呼吸が浅くなっている人が多いことです。浅呼吸では酸素の供給量が減ります。人間の細胞は酸素の供給無しでは死滅してしまいます。それほど重要な酸素の供給ですから、免疫疾患、循環障害など様々な障害や病気の原因にも成りうるのです。最近、女性に多いと言われている「無呼吸症候群」も無関係ではないと思っています。
皆さんも試して頂ければわかるのですが、肩を前肩にして背中を丸めて深呼吸してみてください。大きく吸えないのを実感できると思います。「前肩」状態では大きく肺を使って呼吸することができないのです。
★改善法について:
正しい座り方やパソコン、スマホの使い方については今までもブログや書籍(パソコン、スマホで筋肉が癒着する!)でお話してきましたので、今回は肩甲骨の正しい位置とリセット体操についてお話いたします。
★正しい肩甲骨の位置について
下写真左は正しい肩甲骨の位置でのパソコン操作
右は前肩状態でのパソコン姿勢です。
下図のように、正常な胸郭に対する肩甲骨の位置は背面から35度の角度ですが、前肩でのパソコン作業の場合は70度近くになっています。この状態では、肩関節は正常に動かすことはできません。また胸郭が十分に膨らまない(肋骨が動かない)ので浅呼吸になってしまうのです。
【正常】
【パソコン操作時】
★前肩リセットエクササイズ
まず初めに下の写真のように肩甲骨を後で閉じるようにして、その次に胸を開くようにし,そのまま自然に腕が外側に回すようにに開いていきます。*初めに胸を開こうとしたり、腕を外側に開こうとすると肩甲骨が後で閉じれなくなるので注意してください。立ってでも座ってでも出来ますがお腹に力を入れながら呼吸とともに行うといいでしょう!
以上、正しい肩甲骨の位置を頭に入れて、正しい姿勢でパソコン作業をできると前肩の予防に繋がります。一日2-3回は、リセットエクササイズして、深呼吸を習慣化させ、胸の前が固まり、バストがたれるのを防ぎましょう!