ある皮膚科の先生との会話の中で、一人の患者さんと整形外科の先生とのやり取りについて話をしました。その患者さんは、足首を強く捻挫してしまったのですが、整形外科にレントゲン検査を受けに行き、捻挫と診断されました。ここからが問題なのですが、その患者さんが「ハイヒールは履きたいのですが?」とその先生に相談したところ、その整形外科の先生は「女性だし、ハイヒールも履きたいだろうから、しっかり固定してハイヒール履いてください」とハイヒールを許可したそうです。
物事には、優先事項と後先事項があります。ここで下す必要があるのは、足首の捻挫の原因でもある不安定な状態(ハイヒール履き)で歩かせることなのです。2~3週間でもハイヒールを禁止させれば、履いていたのと履かないで過ごしたのでは、予後がどれだけ違うか、誰でも予想できることです。
この状況での後先事項は、「女性だからハイヒールを履きたい」ことなのです。 この優先事項と後先事項がこの二人の医師の間で違っています。僕が話した皮膚科の先生はこの整形外科に対して怒りに似た感情を持っていました。問題意識がまったく違うのです。 医師とは、この皮膚科の先生が理想だと思います。
また同じ医療従事者として、僕等も同じような場面に遭遇することが度々あります。優先事項と後先事項をきちんと説明し実施していきたいと思います。