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骨盤エクササイズについての警鐘

最近、巷では「骨盤体操」とか「骨盤ダイエット」というテーマで骨盤を閉める、コアを使う等のコンセプトの講習会やカルチャースクールが盛んに行われているようです。また同じようなテーマのDVDもよく売れているようです。そのような講習会やDVDによって「骨盤を閉めること」が簡単にできればいいのですが、残念なことにこの「骨盤を閉める」というエクササイズはとても難しいのです。
 きょうも骨盤コアエクササイズを行った女性が来院されました。この方が通っているカルチャースクールでは、約30名の生徒が受けていたようです。人気がありキャンセル待ちの状況らしいのですが、受講後というと腰の痛みなどになり受講を中断されている方が多いというのです。
この女性の症状は、太腿裏の痛みなのですが、検査してみると大腿の外側の筋肉が緊張し、骨盤の前側が開き、大腿内側と後ろの筋肉が防御的に働くために日常のちょっとした動きで痛みが太腿裏に放散していたのです。
受講中は鏡を見ながら先生の真似をしてコアを使おうとエクササイズしていたようなのですが、骨盤がねじれているため大腿の外側を使ってしまい、コアが上手く使えなかったのです。

骨盤を閉めるエクササイズは、骨盤の歪みを正してから、正しい指導の下行うべきです。また、見た目は一緒でもどこを動かそうと意識しているかで大きく違ってしまうので、DVDを見てなどは、自分のやり易いやり方で行ってしまいがちですので特に注意が必要です。
痛みや違和感があった場合、すみやかにエクササイズは中断してください。

以前取り上げた「骨盤の開きの考察」を参照にしてください。また「肩に力が入る・肩の力を抜く」で取り上げた丹田の使い方がコアトレーニングでは重要です。

骨盤のゆがみと慢性的な腰痛
肩に力が入る・肩の力を抜く
「骨盤の開き」考察①
「骨盤の開き」考察②

「骨盤の開き」考察②

前回のブログから2ヶ月近く空いてしまいました。特に今回は「続編」状態でしたので誠に申し訳ありませんでした。この場をかりてお詫びいたします。

さて、骨盤の開き改善法についてですが、その前に「どうすれば骨盤がしっかりとした状態で開かなくなるか」についてお話しいたします。
結論から言いますと、それは「自然な骨盤の特性」を生かすのです。
ここで言う骨盤の特性とは下図のように地面からの力を上方へ伝えることです。

地面からの力は足を経由して股関節に伝わります。
この左右の股関節からの力は左右の仙腸関節(仙骨と腸骨の関節)ブーツ面に集まります。そしてこの仙腸関節ブーツ面(下図)で受けた力は腰椎に対して浮遊させる力に変わるのです。
(仙腸関節ブーツ面:仙腸関節は地面からの力を受けるためにブーツ面構造をしています。しっかりと受け止め、上に持ち上げる力を引き出しているのです。)

一つ悪い例を挙げてみます。
下図のように身体のバランスが悪くなり、重心が偏り
右腰部筋肉にいつも負担をかけていると、右の腰部筋群が過緊張を起こし伸びなくなります。
そうすると徐々に重心が崩れ、腰椎、骨盤、股関節と左への動揺が始まります。
これが骨盤の開きに繋がっていくのです。(この場合、右の骨盤は開きにくいのですが、左の股関節や骨盤が外側に押し出されるように開いていくのです。)

地面から上がってきた力は真ん中の背骨に集まります。
しかし、足首、膝、股関節、骨盤、腰椎などにゆがみがあったり、体幹を支える筋肉が弱かったりすると力は外に逃げてしまいます。
骨盤の開きを正すには、日常の生活でこの軸を意識するのが一番の近道になります。
そして身体の体幹を鍛えることと足からの力を体幹中心に集めることが重要なのです。
ただ、注意してほしいのは、上図のように身体が歪んでいる状態で体幹をトレーニングすると痛みが発生したり、余計に左外側に開いてしまう可能性があるということです。
体幹コアトレーニングで腰などを痛めた方は、そんな理由が考えられます。

骨盤開き改善法
①日頃から重心軸を意識して生活する。(歩行も含む)
②軸のトレーニング(足&体幹)
*今回は、基本になる足からの姿勢保持のトレーニングを紹介します。

姿勢トレーニング:背筋を伸ばして上に釣られるような状態から身体を曲げずに息を吐きながらまっすぐ前傾してください、身体が倒れそうになるのを踵(かかと)を挙げずに足指全体で支えるようにする。足裏にアーチを感じられるようになってください!
5秒止めて、一度戻して3回繰り返す。

*エクササイズ途中で痛みや違和感があったらすぐに中断してください。
*特に外反母趾の方は無理しないでください。

「骨盤の開き」考察1

骨盤の歪みができる訳

反り腰とは?

骨盤のゆがみと下半身のむくみ

骨盤のゆがみと腰痛

骨盤のゆがみと慢性的な腰痛

骨盤エクササイズについての警鐘

「骨盤の開き」考察①

骨盤が開いていると聞いて、皆さんどのような状態を想像するでしょうか?
最近、この骨盤の開きについて患者さんからもよく質問を受けます。
そしてこの骨盤が開いている状態になっている方がとても多いのです。先日患者さんにご協力頂いて「マウス症候群」についてアンケートととらせて頂きました。その中でPCの使用時間ですが平均10時間です。ほとんど座っていると言っても過言ではありません。実は長い時間悪い姿勢で座っていれば骨盤は開いてくるのです。
そこで今回はその「骨盤の開き」について考察してみます。

図は骨盤を前面から見た状態です。①~③まで番号があるのですが、骨盤の開いているのがどの部分なのか、自覚されていない気がします。 ①は骨盤の上部にあたりますが、ここには仙骨と腸骨の関節があります。その部分が変化するのですが、この部分は左右の動きがある部分で、左右とも同じように開くとは考えられません。右が外側にいけば左は内側へと連動する動きになるはずです。また、前が開いたり、後ろ側が開いたりすることはあると思います。この場合も前が開けば後ろが閉じるというように連動しています。
今回注視したいのは、実は①ではなく②と③なのです。 ②は左右の坐骨間であり、③は股関節です。この②と③の関節は同じ方向への動きをします。②が開けば③も開くのです。厳密に言えば左右が同じように開くわけではありません。どちらか一方が内側への動きがあり、反対側は外側に開いていくのです。
そこで「骨盤開き度」チェックです。

1.一日8時間以上パソコンしている。
2.座っていると足を組むくせがある。
3.歩いているとスカートやズボンのベルト部分がよく回る。
4.靴の減り方が左右の足で違う減り方をする。
5.外反母趾である。
6.足の外側に筋肉がつきやすい。
7.上向きで寝にくい、もしくは寝られない。


3つ以上当てはまると「骨盤開き度」要注意です!
5つ以上当てはまり、どこかに痛みや違和感を感じていたら、すぐにお近くの専門医やカイロプラクターにみてもらうことをお奨めいたします。
次回は、「骨盤の開き」考察②として予防法と改善体操についてです。


「骨盤の開き」考察2

骨盤の歪みができる訳

反り腰とは?

骨盤のゆがみと下半身のむくみ

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