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パソコンとスマートフォン使用時の正しい姿勢

先日、毎日コミュニケーションズの取材を受け、パソコンを使う時の正しい姿勢とは?と言うテーマについて同サイト上にコラム寄稿させて頂きました。今までもパソコン姿勢やマウス症候群の取材協力させて頂きましたが、今回ほど反響が大きかったものはありませんでした。KIZUカイロサイトへのアクセス数がなんと通常の約10倍に跳ね上がりました。

なぜそんなにアクセス数が増えたのでしょうか?

 
今回の記事で取り上げたのは、特にパソコン使用時の座り方と対処法についてだったのですが、寄せられた感想では、パソコン使用時の座り方が「とても参考になった」「まさしく自分の行っている悪い姿勢である」「私もストレートネックで悩んでいる」等など、パソコン使っている人がそのまま自分に当てはまることが多かったのが一番だったと考えられます。またその記事に賛同する方がツイッターやmixiでつぶやいた事も一因になったようです。

ただ、その反響も我々現場では当たり前のような気がします。ここ数年のパソコン使用による不調は著しく増加しています。マウス症候群では、腱鞘炎がひどくなり急性症状から慢性症状に移行した方(それだけ症状は重い)や身体の軸が崩れた状態で座っている為に起る椎間板障害(椎間板ヘルニアや坐骨神経痛)も歩行困難等の重い症状になっています。

その中でも特に気になるのが女性の「ストレートネック」です。筋力が弱い年代からパソコンや携帯を始めて数年から10数年経過し徐々に悪化傾向になっています。症状も頭痛やめまい、腕のしびれや肩が上がらない三十肩症状(以前は50代中心であったが現在は30代にも多発している)等、皆さん辛い症状に苦しんでいます。

整形外科や脳外科などで受診し「ストレートネック」と診断され、薬物療法以外に良い治療法が無く当院を受診されるケースがほとんどです。

この「ストレートネック」ですが、今後、更に増加傾向を後押ししてしまうのではと危惧していることがあります。それはスマートフォン(以下SP)の台頭です。その理由は今までの携帯より使用する時間が増える。結果下を向いて作業する時間帯が多くなるからです。

*下の写真1は電車の中でよく見る姿勢ですね。長い時間この姿勢はストレートネックを悪化させます。予防法は下の写真2のように、画面見る時にSP持つ手の肘の角度は90度で、反対の腕をSP持つ手の肘の下に入れることにより目線が上にあがり「ストレートネック」の予防につながります。画面タッチ操作する時もこの画面の位置に気をつけましょう!

ストレートネック臨床報告

クリニック勉強会

 数年前より、月に一度は勉強会を行っています。外部講師を招いたり、臨床発表やセミナー参加報告等を行います。昨夜の勉強会ではテクニックについて実技練習を行いました。
カイロプラクティックでは、色々なテクニックがあります。教育機関の指導方針によるところが大きいのですが、ある部位に対してのアプローチ方法にも何通りもあります。例えば、背中の肩甲骨の間にある胸椎4番に対する矯正方法をとってみても何種類かあるのです。
長年治療をしていると得意な方法は良く使うが、あまり得意じゃない方法はやらなくなる傾向があります。やらなくなると当然できなくなります。そこで昨夜は、暑い夜でしたがエアコン切って胸椎4番に対して、それぞれの得手不得手を特訓したのでした。
 3月に入社した西野先生が不得手な治療を克服して、汗かきかき満面の笑顔でした。

小児カイロプラクティック・変形性斜頭症

一昨日の日曜日に「小児カイロプラクティック」のセミナーを受講してきました。このセミナーは4月から始まり、今回で3回目の受講になります。毎回、妊婦や小児に特化した座学と技術習得が行われとても勉強になります。
今回、小児によく見られる疾患とアプローチ法について講義して頂いたのですが、その中にあった幼児の多くに見られる斜頭症(変形性斜頭症)についてお伝えしたいと思います。斜頭症を簡単に説明すると2種類に分類されます。

①ラムダ縫合の早期癒合に起因する斜頭症(頭蓋骨早期癒合症)
②頭蓋骨縫合部の早期癒合を伴わない、変形性斜頭症


ここで①については、アメリカ国内の報告で発生頻度は1万人に3人から5人と言われ、それほど多い障害ではありません。②については2003年時点では60人に1人と言われている程多発しています。そこでこの②の斜頭症についての原因とマネジメントについて少しまとめてみました。
出生時に変形が見られる場合は、胎児の位置や大きさなど子宮内での問題や吸引装置使用などの分娩時の外傷などによるものが考えられますが、特にここで取り上げたいのは出生後に変形が生じた場合です。

■出生後に変形が生じた場合の原因
1.筋性斜頚
2.筋低緊張障害(自発的に頭の向きを変えにくい)
3.寝かせ方など、頭を同じ向きに固定する仰向け姿勢
4.向き癖
5.サブラクセーション(カイロプラクティックで言われている歪み)

■予防法
1.両親や赤ちゃんの世話をする方々に赤ちゃんの寝る姿勢と頭の形の関連についての認識と首が座るまでの数ヶ月間の予防の大切さを理解して頂くこと。
2.赤ちゃんが仰向けに寝ている時、頭の向きをこまめに変える。
3.赤ちゃんが目覚めている間に、腹ばいで過ごす時間をできるだけ確保する。
4.ベビーカーやベビーチェアで過ごす時間をできるだけ減らす。また時々縦抱きにして頭部と頚部の運動性を促す。

■変形性斜頭症の長期的な影響
1.頭部の変形とそれに伴う顔面の変形
2.変形による美容上の問題を訴える
3.子供の姿勢形成過程に及ぼす影響
4.脳や神経の発達が影響を受けた場合の学童期での軽度発達障害の危険性

■変形性斜頭症に対するカイロプラクティック・マネジメントの調査
オーストラリアでの調査結果:脊椎及び四肢へのアジャストメント(矯正)行った平均年齢3.74ヶ月の乳児25人を対象としたレトロスペクティブ研究によると平均3.64ヶ月の間に25人すべての乳児において斜頭症の診断につながる所見が見られなくなった。
(Davies NJ.Chiropractic management of deformational plagiocephaly in infants :An alternative to device-dependent therapy. chiropr J Aust 2002)

 上記の調査結果以外でも有効性を示すレポートが見られました。カイロプラクティック治療が「変形性斜頭症」に対して有効であることは確かなようです。
 原因の中にあった「向き癖」一つとってみても、身体の中に捻れや歪みが存在する為に自然にどちらかばかりを向いてしまう癖が身についてしまうことが考えられます。子供は身体を捻らせてこの世に誕生します。その後同じような体勢を繰り返したりしていれば、大人と同じように身体全体に捻れや歪みが生じてもなんら不思議ではありません。言い換えればこの乳児の捻れや歪みが大人になるまで放置されていることも少なくないのでしょう?
 以前、乳児を治療していて身体の捻れを取り除くと便通が改善されたことが何度かありますが、乳幼児に対して我々が貢献できることは自分が考えていた以上に広範囲であることを再確認いたしました。また、今回のセミナーを開催して頂いた、小畑良明先生にこの場をかりてお礼申し上げます。感謝!

マードック大学のご報告

3月初旬、西オーストラリア・パースにあるマードック大学の卒業式に出席して来ました。3年間にわたりすべてのカリキュラムを無事修了し、学位Bachelor of Health Sciences (Chiropractic)取得できた事をご報告させて頂きます。
 皆様方には期間中、幾度となく海外実習や集中講義の為に休診とさせて頂き、多大なるご迷惑をお掛けしたことをこの場をかりてお詫び申し上げます。また、この年齢で大学教育を受けさせて頂いたことに、家族、スタッフ、患者さん、大学関係者の皆々様方に感謝いたします。
今回は、パースでの海外実習の様子を写真を使ってご報告させて頂きます。

2008年度の海外実習は、解剖学・生体力学・生理学でした。マードック大学には獣医学部もあり、広い敷地内にはたくさんの牛がおり、解剖実習では、カンガルーの脊椎を行いました。さすがにカンガルー、腰椎が人間とそっくりでした。多くのすばらしい仲間たちと出会い、お互いに助け合いながらどうにかパスすることができました。


2009年度の海外実習では、放射線学・臨床診断学・身体診断学を学びました。広い実習室では、身体診断学実習を行い。放射線学では数多くの病理学的変化のあるレントゲン像を見ることができました。設備の充実したレントゲン実習室は羨ましい限りでした。かわいい女の子を抱っこしているのは友人で大変お世話になったDr.Clinton Kesseyです。


2011年度は卒業式です。この日は生物医化学系学部の卒業式だったのですが会場となったコンベンションセンターには約500人の卒業生と来賓合わせて1000名以上が集まり熱気に包まれていました。上の2ショットはお世話になった学部長Dr.Brian Nookです。また最後の写真はマードック大学学長 Mr.Terry Budge氏との2ショットです。パースでの最後の日は学友たちとイルカを見に行ったり、美味しい料理(オージービーフとロブスター)とワインで盛り上がりました!

皆様のお陰でマードック大学のカリキュラムを無事修了できました。
Dr.Brian Nook、Dr.Clinton Kessey、Dr.Mi Kyung Lee、Dr.Paul Dillon、Yozo Kawanishi DC 、Yoshiki Igarashi DC、Ms.Junko Seno、Ms.Naoko Tanimoto、マードック大学健康科学部スポーツサイエンス学科各教授、講師、スタッフの皆様のご尽力に心より感謝いたします。

Thanks to the cooperation of everyone, I successfully completed the course of Murdoch University.
I would like to appreciate very much the support from Dr. Brian Nook, Dr. Clinton Kessey, Dr. Mi Kyung Lee, Dr. Paul Dillon, Yozo Kawanishi DC, Yoshiki Igarashi DC, Ms. Junko Seno, Ms. Naoko Tanimoto and teaching staff of School of Chiropractic and Sports Science, Faculty of Health Sciences at Murdoch University.

グラストンテクニック

1月のコラム「静の姿勢、動の姿勢」の中で取り上げた筋・関節の癒着に関してですが、通常の治療では取り除きにくい強い癒着が存在する場合があります。主にスポーツ選手が関節機能が低下している状態等で同じ動作を繰り返したり、過負荷の場合などに起りやすいと予想されます。一般の方でも、マウスやキーボード操作を繰り返す、マウス症候群やマウス腱鞘炎でも同様の癒着が起る可能性があります。
 この癒着を取り除く技術として「グラストンテクニック」というカイロプラクティックの特殊なテクニックがあります。グラストンテクニックはアメリカで開発された、軟部組織(筋肉、筋膜、腱、靭帯、関節包など)に対する特殊な器具を使った治療法です。
 カイロプラクターだけでなく、理学療法士やスポーツトレーナー等、米国では約9,000人の治療家が行っています。ゴルフ肘、テニス肘、肩関節障害、膝関節障害、各筋肉・筋膜障害等に顕著な効果を出すばかりでなく、プロスポーツ選手のパフォーマンス向上に絶大な効果を発揮します。
日本ではまだ30人程のカイロプラクターしか行っていないテクニックです。
多くの患者さんの悩みに応えられると確信しておりますのでご期待ください。

*グラストンテクニック:上写真の専用のインストゥルメント(器具)を用いて、軟部組織機能障害に照準を当て筋・筋膜などの緊張、癒着を緩和し改善するテクニックです。

がんばれ日本!