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2014年版 頭痛へのカイロプラクティック的アプローチ

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パソコンやスマホなどの電子機器の影響もあり、慢性的な頭痛で悩む患者さんが後を絶ちません。
頭痛にも必ず原因があります。自分自身も小学生のころ頭痛で苦しみ、痛くなる前に頭痛薬を飲んでいた記憶があります。自分の頭痛の原因は「姿勢」でした。子供時代の写真を見れば明らかでいつも右足に体重をかけ顎があがっていたのです。

今回は、数年前に行った頭痛に対するカイロプラクティック的アプローチをアップデートしてみたいと思います。
頭痛の治療においてカイロプラクターは頭痛原因を分析することに重きを置き以下のことを行います。

カイロプラクティック的検討対象となるプロトコル
1.病歴と検査結果に危険信号がないかチェックする。器質的頭痛を排除する。
2.頚椎を評価し、頭痛を起こす頚椎コンポーネントがあるか判定する。
3.側頭下顎関節(TMJ)を評価し、頭痛を起こす要因があるか判定する。
4.頭部外傷か血管原因の場合は排除する。
5.頭痛原因の可能性のある食生活要因を探す。

*適応症以外は、すみやかに専門医に紹介する。
以上のプロトコルを通して原因を探し、頚椎のコンポーネント・側頭顎関節などの治療や 背骨・骨盤のアライメントや筋肉や関節などの問題を改善させて頭痛を軽減させる事が可能です。
カイロプラクティック治療は一次性頭痛に有効と言われています(特に緊張性頭痛や頚性頭痛)が、最近の臨床を通してわかってきたことは、原因が多岐にわたっている複合体が多いということです。
例えば、ストレートネック状態や上部交差症候群においても頭痛が発症する方が多いのですが、これはストレートネックや上部交差症候のような状態は、頚椎コンポーネント異常や筋緊張を作ってしまいます。またその筋緊張は、精神的なストレスから起きていることも考えられます。また、日常の習慣で作られた「その人独特の悪い姿勢と身体の使い方」も大きく影響する等、様々な要因が絡み合い、頭痛が起きるという機序になっているのです。
上記したプロトコルに2年前に作成したものですが、ここに新たに以下の2つのプロトコルを加えたいと思います。

6.無呼吸症候群がないか評価判定する。
7.呼吸の評価判定する。

臨床においてこの呼吸の影響も軽視できないと感じています。特に無呼吸症候群で起きる頭痛は起床時頭痛が特徴的です。呼吸の評価をすると浅い呼吸で、胸郭を使えず肺に吸い込むことができない患者に多く遭遇します。但し、この無呼吸症候群や浅呼吸も上部交差症候群やストレートネック状態になっていることが多いのです。結局、起きている現象は同じだったりするのです。

 今や頭痛は真に隠れた流行病であることは明らかです。そして原因を特定することが難しい疾患の一つだと思います。どんな障害も同じなのですが、症状が憎悪する「何か」が存在します。
その「何をすると?」「どんな時に?」「どんな種類の頭痛がどこに?」など、患者さん自身も理解しておく事が頭痛の根本的な解決に繋がるはずです。以前のコラムでも取り上げた「危険な頭痛の症状」も参考にして、専門医の検査を受ける事も必要だと思います。頭痛日記を付けるのもいいでしょう。いつ痛みが出現したのか、どんな姿勢でいたか?薬や食事の時間などを記入しておくといいでしょう。

*参照 過去ブログ
頭痛について①
http://www.kizuchiro.com/director_blog/diary.cgi?no=130

尿もれと脊柱管狭窄症の因果関係

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昨日(2014.3.1)の日経新聞朝刊に尿トラブルについて取り上げられていました。
以下抜粋
40代、50代になると多くの人が悩み始める尿トラブル。おしっこの回数が増えるのは男女共通だが、尿もれで悩むのは女性が多く、尿のキレが悪かったり排尿に時間がかかったりするのは男性だ。男女で気になる症状は異なるが、背景には共通する加齢現象があるという。尿トラブルの基礎知識と対処法について専門家の話を聞いた。
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この中で尿道を支える筋肉を鍛えることの重要性についても書かれていますが、この筋肉は、骨盤底筋群と呼ばれ、以前より尿漏れの原因の一つと考えられています。実は、この骨盤底筋群が弱化すると尿もれの他にも多くの障害の原因になってしまうのです。
それが私たちカイロプラクティックに来院されている高齢者に多い疾患である、脊柱管狭窄症、脊椎すべり症、椎間板ヘルニア等に代表される腰痛疾患なのです。実はこれらの疾患は、尿もれと合併する可能性が高いとも言えます。
 なぜなら、尿もれも脊柱管狭窄症も、骨盤底筋群、腹横筋、多裂筋などで形成される骨盤アーチ(ピラティス的にはパワーハウス)が崩壊することにより起こる可能性が高いからなのです。
 この骨盤アーチを30-40代から形成しておくことが尿もれの予防にもなるし、結果的に脊柱管狭窄症などの重篤な障害を防ぐことにもつながるのです。但し、この骨盤アーチは、背骨や骨盤にゆがみが存在していると、正しく機能することができません。慢性的な腰痛に悩む方や、産後などに尿もれを経験したお母さんなど、早期のうちに信頼できるカイロプラクターに相談することをおすすめします。


●腰を痛める原因について①「重力」と「骨盤アーチ」
http://www.kizuchiro.com/director_blog/diary.cgi?no=217

●腰を痛める原因について②重力と骨盤アーチ
http://www.kizuchiro.com/director_blog/diary.cgi?no=219

●30-40代女性に多発する股関節痛の原因と対処法
http://www.kizuchiro.com/director_blog/diary.cgi?no=208

*骨盤アーチと座り方についての詳細については
「その痛み・不調は座り方を変えれば消える!」PHP出版
http://www.kizuchiro.com/media.html

ドケルバン病の原因と治療

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以前のブログでも取り上げた「ドケルバン病」ですが、聖路加国際病院の整形外科医 辻荘市先生にもご協力頂き、更なる研究を続けています。

前回もお話したとおり、この障害が起きる人と起きない人がいるのは、習慣的な指の使い方が原因にあると考えます。このドケルバン病は、指を屈曲して使う時に関節を伸展させて使う結果、あまり親指を使わない人でも生じることがあるのです。上の写真をご覧ください。この方は、現在2人目の9ヶ月のお子さんを育児中の35歳の主婦です。手のひら側で親指がこのように変形している方にドケルバン病は多く見かけます。(このような変形がない方もいます)
この状態は、母指伸筋腱に炎症や肥厚、癒着がある場合に起こっています。結果、手のひらを開こうとするとこのような変形した形になってしまうのです。
これは、解剖学的に言うと、母指の中手骨と大菱形骨との関節の変位によるものです。

繰り返しになりますが、通常であれば子供を抱っこする時に親指を屈曲して使えば、この母指伸筋腱に負荷はかかりません。しかし、これらの変形があったり、他の4本の指を屈曲して使い、親指だけ使わないとしたら、親指は伸展位にあります。
この現象がドバルゲン病の正体であると考えます。(キーボードやマウスの操作でも同じ事が起きる方も増えています)

来院された患者さんで、最近見えた患者さんで5人の方の治療で、このメカニズムにそった加療した結果、早期に改善しています。
この障害への施術ですが、これらのメカニズムを考慮に入れ、伸展筋に負荷がかからないように親指の関節を正しい配列にすることにより治癒へ導かれると思われます。(腱の癒着にはグラストンテクニックが効果的です)
お悩みの方は、一度ご相談ください。



■過去のブログ
*ドケルバン病の研究
http://www.kizuchiro.com/director_blog/diary.cgi?no=223

*親指の使い方に関しては
http://www.kizuchiro.com/director_blog/diary.cgi?field=3

スカートが回る理由と原則

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今回は皆さんが感じている日常起こっている疑問について取り上げてみます。
患者さんに良く聞かれるのですが、それは、スカートの回る理由についてです。女性なら誰でも一日生活していれば、スカートが回り、日に何度かは調整しないといけないのではないでしょうか?
この現象、骨盤の歪みによるものでは?と皆さんも何となく気づいているかと思います。
ただ、その回る方向で骨盤がどのように歪んでいるかがわかる!
と聞いたら如何でしょうか?
では、その原則について説明します。

■骨盤の歪みとスカートの回る方向の原則(確実ではないが、可能性は高いです。)

★真上から見て時計回りに回る場合は、左の腸骨が前に歪み、右の腸骨が後ろに歪んでいます。ちなみにこの場合は、足を組んで座る時に右足を上にすると楽に組めます。

★真上から見て時計回りと反対に回る場合は、右の腸骨が前に歪み、左の腸骨が後ろに歪んでいます。ちなみにこの場合は、足を組んで座る時に左足を上にすると楽に組めます。

実は、これを治す方法もあります。ただ単に足の組み方を逆にすればいいなんていう単純なものではないですよ。これは、身体の使い方が大切なので、まず自分の軸がどこにあるかを自覚するところから始めましょう。
その後に、以前もこのブログで推奨した「パワーハウスウォーキング」を毎日行うとリセットできてくるはずです。ただ、すでに腰、股関節、膝などに痛みがある場合は、股関節と骨盤の状態を見て、何が原因で捻じれているかを治す必要があります。

*上記、イラスト「マウス座りの女性」は、スカートが右回りする場合の骨盤の歪みを作りやすいのです。

□パワーハウスウォーキング
http://www.kizuchiro.com/director_blog/diary.cgi?no=140

□パワーハウスランニング
http://www.kizuchiro.com/director_blog/diary.cgi?no=141

筋筋膜痛について

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 2013年11月22日付の日本経済新聞の記事で面白い記事が掲載されていました。その記事についてブログで書こうと思っていましたが、月日の経つのは早いもので早3週間が経過してしまいました。 以前は新聞を切り抜いて取っておくのですが、今は便利なもので電子版を検索すれば、あっと言う間にその記事を探すことができました。さて前置きはこのぐらいにして・・・この記事で目を引いたのが「筋筋膜痛の患者が多い」「その原因が姿勢や運動不足である」ということに専門家が指摘しているということです。
以下冒頭の内容引用

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 国内の慢性的な腰痛患者は約2800万人といわれる。神経を圧迫する椎間板ヘルニアのように原因が分かる場合もあるが85%は原因不明だ。その中には神経痛ではなく、筋肉痛の一種「筋筋膜(きんきんまく)痛」の患者も多いようだ。日ごろの姿勢の悪さや運動不足などが響いて症状が重くなる。生活習慣を正していくのが重要だ。
筋筋膜痛とは、分かりやすく言えば筋肉痛だ。腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症といった神経を圧迫する神経痛は、神経にそってピリピリとした痛みやしびれなどがある。触ると痛く、感覚が鈍くなるなどの神経障害が起こる。筋筋膜痛の症状にはこの種の神経障害がなく、傷めた筋肉の特定場所が痛むのが特徴だ。
 筋筋膜痛は筋肉の損傷や過剰な負荷、疲労の蓄積などで起こる。急性期は数日たつと治るが、いつまでたっても回復しない慢性痛になる場合もある。姿勢の悪さや運動不足といった様々な生活習慣がかかわっており、原因の特定は難しい。(上記2つの表も記事から抜粋)
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 日本の人口は125,358,854人(2010年調査)であり、そこから、二十歳までの約3000万人を引いた9500万人のうちの2800万人とすると約29.5%が慢性腰痛になっていると推測されます。働いている人の3人に1人は腰痛持ちなのです。そして、この記事の中では、それらの原因が筋筋膜にあるのではと指摘されているところが注目されます。その治療法として紹介されているのはは、トリガーポイント療法やブロック注射、そして運動や姿勢の大切さが書かれています。そして各専門家が以下のように指摘されています
「薬では筋力やバランス力はつかない。運動が基本なのを忘れないでほしい」(NTT東日本関東病院ペインクリニック科の安部洋一郎部長)
「治療のゴールは鎮痛ではなく日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)の向上。慢性痛は患者が自分から動かなければ変わらない」(東京慈恵会医科大学の北村俊平助教)

この記事を読んだ感想は、腰痛の原因が「筋筋膜」にあることが整形外科やペインクリニックでも同じ印象をお持ちなんだということです。それは僕らが臨床で感じていることと同じです。ただ一つこの記事に補足したいことがあります。
それは、筋筋膜性の痛みを取り除くときに、ストレッチや運動では解消しきれない根深い癒着が存在することがあるということです。この癒着をリリースしないで行うストレッチや運動が逆効果になってしまうこともあるのです。(カイロプラクティック治療では、この癒着に対しては、グラストンテクニックや筋膜リリース療法が用いられます。)

これら筋筋膜の根深い癒着は、PCやスマホの普及、そして座ることが長時間に及ぶ現代社会では、逃れられないことかもしれません。症状が始まる前に「姿勢や予防の大切さ」を子供たちに伝えなければいけないのです。少し大袈裟に聞こえるかもしれませんが、義務教育に姿勢のカリキュラムを入れるべきなのです。


■筋筋膜に関する記事(日本経済新聞電子版)
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO62926820R21C13A1EL1P01/
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■筋筋膜の癒着についてとグラストンテクニックについて
http://www.kizuchiro.com/th01.html